06-1.17歳の斜陽
それにしても女子成分がすっかり吸い取られてしまったその団体。男ばかりが無理やり狭い車内に突っ込まれたその光景ときたら……。
「お、おいあんまり近づくんじゃねえよ……」
ミツヒロがものっすごーい嫌そうにそう告げるのは自分の上に乗っかっている有沢に対してだ。無論、有沢だって好きで近づいているわけではない。
「俺だって極力離れようとはしているよ……うぶっ」
「……おわぁあああ! やめれ、顔近づけんな男っ……ってうっわきったねー! 脂、顔の脂が手についた! ぬるってしたよ、今ッ!?」
「し、失礼な、そこまで脂ぎってなどいない!」
有沢が怒り気味に否定する中、一同はそんなに叫んで余計に暑苦しそうだと心の中で思う。
「まああらゆる意味でギラついてるけどな、ありちゃわくんは」
「……どういう意味だ創介!」
「どーゆーって、そのまんまだよ」
創介があっはっは、とこれ見よがしに笑うと膝の上のセラが急に正面に顔を持ってきた。
「おおっと、セラちゃん。びっくりするなあ、もう」
「……創介」
そう呟いたセラの声はいつになく真剣そのもので、向けられている眼差しもやけに重たく感じられた。……何となく茶化してはいけない雰囲気だ。創介が思わずごくんと唾を飲み、セラのややジト目気味だがサイズとしては申し分ないまぁるいまなこを改まったように見つめ返した。
「な、何?」
声が裏返ったような気がしないでもないが、まあよかった。
「さっきのあれ、何?」
「へ?」
そして今度こそ間違いなく裏返った。
「あれってナンデスカ」
抑揚に乏しい、わざとらしい言い草で聞き返す。
「僕に言いたい事があるから……生き残れって、言ったでしょ」
すぐ正面に、セラの顔がある。セラがどこかもどかしげに、唇を引き結んでからもう一度こちらをじっと見つめた。答えを催促しているに違いなかった。凝視していると吸い込まれそうな目だ、何だか嘘をついたりは出来なさそうである。
かっこいいクリーチャーいないかな、と
考えていて閃いたのがゼイラムとかかっけーよな。
能面がはりついているのがキモかっこいい。
あれどこにもレンタル置いてないな〜
昔近くにあったしょぼいレンタルビデオ屋
(DVDじゃなくてビデオの時代ね)には
ああいう変な映画いっぱいあったのに。