18-1.永遠(とわ)に美しく
停車したかと思うと、またもや荷物も同然の扱いで車から引きずり降ろされた。
気絶したままのナンシーは巨漢のトゥイードルダムに担がれて、暴れるまりあはそのロープをトゥイードルディーによってずるずると引きずられる格好だ。
「んんん゛〜!」
「ママ、帰ったよ! ママァ!」
扉をノックするのはトゥイードルディーだ。しばらく乱暴にその扉を叩いていたが、やがて中から優しそうな中年の女性が顔を覗かせた。一見すればマトモそうな顔をしてはいるがこの二人を見ている限り、こいつもまた普通じゃないのは明らかであった。
「お帰り、坊やたち。でもねぇ、ママ何度も言ってるでしょう? そんな下品なノックの仕方はおやめなさいって」
「ごめんよ、ママ。……でもコレを見て。ほらっ」
「ん゛んんッ!!」
すかさずトゥイードルディーが差し出したまりあの姿を見て、ママはにんまりと微笑んだ。それはそれは上品そうな、そして優しそうな笑みであったがその裏には何か粘着質なものが感じられてまりあは背筋がぞっとするのを覚える。
「……ンまぁあ〜。よくやったわぁ、今回のはまた随分と若いのを見つけてきたのねえ」
満足げに微笑んで、ママはちらっと視線を動かした。
「それに二人もいるのね!……偉いわ〜、本当に偉いわ、お前たち。よくやったわね。おやつにキドニーパイを作ってあげる。――材料はもちろん、活きのいいそこの腎臓二つよ」
「ん゛〜〜!?」
次の瞬間、乱暴に家の中に放り込まれた。家の中には蝿がぶんぶんと飛び交っていて、更に異様な臭いが充満していた。床に思い切り顔をぶつけ、まりあは不機嫌そうにその顔を持ち上げる。
嫌悪という嫌悪を寄せ集めた表情をぶつけると、対照的に嬉しそうなママの顔と焦点が合うのだった。
「……顔もまあギリ合格ってところね。これは期待できるわ」
そんなまりあを見下ろしながら、ママがまた笑った。笑いながら手を伸ばしたかと思えばまりあの口を塞いでいた猿轡を手荒に外すのだった。
「ぷはっ……、ちょ、何よ! 何なのよ、これ! あんたら絶対許さないんだからね、ギッタギタのボコボコに……」
「その心配はないわ。だってあなた達死ぬもの。ここでね」
なっ、と声を詰まらせるまりあにママがしゃがみこみながら上品そうに小首を傾げた。
「まずは私の為に死になさい。私の美に貢献するために、その生き血を抜かれるの。……どう? ゾクゾクする?」
「……は?」
言いながらママは一度立ち上がると、背後にあった肉切り包丁を手にした。再びまりあの前にそれをチラつかせながら、しゃがみこんだ。
「ひっ……!?」
「大丈夫よ。すぐには殺さないわ。だから今は私の有難いお話を心して聞きなさい――じゃあ、続きよ。いーい? その後は世界の為に死になさい。空腹に飢え苦しむ皆の為に、食材となりその身を捧げるのよーォ」
話しながら自分で言ったその台詞に感動を覚えているのだろう。ママは両手を広げて宙を仰ぎ、何度も何度も素晴らしいわ、素晴らしいわ、と叫んだ。
少女虐め章。
アルジェントの霊が乗り移ったようだ…って
まだアルジェント死んでないよ!
本当にあの人は鬼畜だと思うわ。
ジェニファー・コネリーのような
清純派美少女をウジまみれにしたり
腐肉まみれにしたりさー。
あれで変な性癖に目覚めた人も多かろう。
しかしジェニファーはとんでもない美少女ですな。
これをモデルにしてクロックタワーというゲームが
生まれたけど顔がまんまジェニファーコネリーだし
名前も『ジェニファー』という。