中盤戦


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03-3.バック・トゥ・ザ・俺



 そこからはもう圧巻というかほとんど一方的なイジメに近い。

 ルーシーというこの男は、捕らえた侵入者の腕を己の脚の筋力のみでギリギリギリギリと締め上げ始めた。ひどい、酷すぎる。

「あ、ぁ、ぃだだだだぁああ〜〜〜っ!!!」

 流石に侵入者に同情を禁じえない、そんな絶叫がたちどころ響いてきた。おまけにルーシーはその姿勢で腰に捻りを加えて、侵入者の拘束に更に力を込めた。

「……イッデェエエエ、あだだだだだだ! やめ・やめれっ、おまッ!」

 ほとんど涙声での訴えに、修一はここで「あれっ?」と思った。何だか聞いた事のある声だなぁ、と思いバットを構えていた腕から少しばかり力が抜ける。しかしまあその絶叫に、侵入者の男にもう勝ち目はないんであろう事はよく分かった。

「何言ってるんですか、人んちの庭に土足で上がり込んで。――さぁって、じゃあお次はギロチンチョークいってみましょうかぁ。それとも腕ひしぎ十字固めいっとく〜?」

 残酷な発言を突きつけるルーシーの顔は至って真剣そのもので、本気と書いてマジだった。マジで相手をいたぶっている。

「ばっ、ルーシー!! お、俺だってば! お・れ!」
「俺という名の知り合いは存じておりません」
「ミツヒロだよ、このクソボケッ! てめぇ自分の部下の声を忘れたんかいオラッ」




 その侵入者は、名前を高らかに名乗ったのであった。で、ルーシーがようやくのようにパッとその脚を解放してあげるとミツヒロは肩を押さえながらその場に崩れていくのだった。

「おや。何だ、ミツヒロ君だったのですか」
「ぜ、絶対ぇわざとだ……ちっきしょぉ痛ェ……肩狙うとかそれスッゲー反則だぞっ!」
「いいえ、反則は取られませんよ。肩って案外鍛える人少ないんですよね〜、ですからよく効きますよ。喧嘩の時にでかい相手と会ってしまったらまずは肩を攻撃するといいですよ、覚えておきなさいな」

 倒れこむミツヒロを見下ろしつつ、ルーシーは余裕綽々の笑みと共にそんな薀蓄を語ってみせる。そんなルーシー、いや、義弟である筈のナオ君を見つめながら修一は改まったように変わってしまった彼を何ともいえない顔つきで眺めるのだった――。



ミツヒロ君の服装、
エネミーラインって映画に出てくる
ジャージさんことサシャたんに似せてます。
凄い人気だよな、あの人。
主人公そっちのけでジャージコールが
実況で飛び交うのがうける。
だよなあ、インパクトが凄いもんな。
服装もそうだけど中身も濃いもん。



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