06-2.葬って後は口を噤め
先程から全く車が進まないのは、恐らく気のせいなんかじゃあない……首都高速へと続く筈の道路は長蛇の列で、ラジオからは相変わらず世界の緊迫したこの状況と、それと渋滞情報、避難所の情報などを淡々と述べているだけだ。
「ふ……、フットサル」
思いついたような創介の声に、凛太郎がややあってから答えた。
「るー……? ルチオ・フルチ」
「フルチン!? しかしお前それだと『ン』で終わりだぞ」
「ばーか、フルチだよフルチ。映画監督な。知らねえのかよ、『サンゲリア』とか『地獄の門』とか『ビヨンド』とか。有名だぞ」
飽くまでもその筋では、だが……と、呑気にもしりとりで時間を潰しているのは創介と凛太郎である。初めは創介が提案し、凛太郎は初めこそ目に見えて嫌そうな顔をしていたのだが段々とノッてきたようだ。
で、凛太郎の『ル』への回答に創介は解せないような顔をしながらも続くチで始まる言葉を考え始めた。
「――チャンネル!」
「まーた『る』かよ。るー……ルアー! ようしこれでもう流石にルにはいかねえだろ!」
「あ〜……?――あっ! アブノーマル!」
「――いい加減にしろよさっきからテメー! ワザとだろ、コラ! ルばっかで攻めやがってこの野郎! 卑怯くせぇぞ!」
凛太郎が創介の顎に掴みかかった。片手で創介の頬を押さえつけながら凛太郎が喚き散らした。……まあ確かに理不尽ではあるが、しかし狭い車内でこう暴れられては迷惑もいいところなだ。
が、さっきからずっと拘束されっぱなしでイライラとし、暴れたくなる気持ちは周りで見ていた者達もおんなじではあった。
「……うるさいぞ、お前ら」
セラが助手席から少し振り返りながら言うと、くんずほぐれつしていた創介と凛太郎が顔を上げた。
「しかし……こう渋滞していると、苛立つのもよくわかりますなぁ。あ〜、何か飲みたい……」
ミミューがふうっとため息交じりにハンドルを握り締めながら言う。
「行ける道がどうしても限られちゃうからねえ。道路にも規制がかかっているせいで、こんなに遠回りしなくちゃならないなんて」
それはほぼ独り言のような感じで、ミミューは苛立った口調でぶつくさと零しながらハンドルの上に重ねられた手に自身の顎を乗せた。
「――こんなところでぼんやりしてる暇なんか無いのに」
悔しそうな声がしたかと思えば、セラのものだった。セラもセラでどうやらそれは無意識のうちに零していた言葉らしい。それから彼は何か考え込むようにして顔をしかめた。
「無理もない。皆この街から出たくて必死なのは分かる」
そう静かに呟くのは有沢だった。見れば、少しだけ顔色が戻っているのが分かる。さっきとは違いもう震えてはいないので、今彼に手出ししたら普通に殴り返すくらいは余裕そうである。
「どうしてもみんなそこに集っちゃうんだよなぁ、仕方のない事だけど。だからって別ルート通るとそれはそれでまたあんな目に遭っちゃうかもしれないでしょ。難しいなー、余計遠回りだよ……はぁ〜」
嫌んなるなー、とミミューがため息を漏らした、そんな矢先であった。あんなに混んでいたはずの道が少しずつ空き始めたのは。
一台、また一台と引き返していく車たちに皆何事かと顔を見合わせる。
「ん? 何かいきなりのようにみんな立ち去ってくんだけど……」
創介が突然のように閑散とし始めた周囲を窓から見渡しながらぼやいた。
さっきよりかなりスペースの開いたその道を徐行しながら進んで行く。そう時間はかからずに、まずは通行止めの看板が目に飛び込んできた。これが主な原因だとは思うのだが、もう一つ気にかかったのはその看板の前で揉めている連中の事だった。
高校の時にはまった
スーファミのゲームに学校であった怖い話ってのがあるんだけど
(同人でリメイクされたり実況されたりして
一気に有名ゲームの仲間入りした印象。
あと何より四十八(糞)の効果も凄いな)
それに出てくる細田という名前の割には
太った体格の、しかもすぐ『僕ら友達だよね?』とか
いちいち聞いて来る非常に不愉快な肥満児がいるのだが
ドラマCD版だとコイツの声が何と石田彰ッ!
あのイケメンボイスの石田彰がッッッ! かッッッ!(バキっぽい字で)
人外もオカマも果てはピザ役までこなしちゃう
石田さんのプロっぷりまじぱねぇっす
石田彰は声だけじゃなくたまに囁かれる逸脱した
エピソードも更に謎めいた貫禄があっていいわぁ〜。
石田さんだけはマジで妖精か何かファンタジックな存在だと思ってる。
私生活とか話さないとこもめっちゃプロっぽくていい。