14-4.極めて近く、限りなく遠い世界
先程までは燃えるように熱かったそれも、邪神との共鳴が止んだお陰なのか今は平常の状態に戻っているようだ。
『君なら、きっとこの因果律も変えられる。呪われた運命にあるこの世界――いや宇宙だって変えられるに違いないんだ』
「そんなにハードルを上げられると、ちょっとプレッシャーなんだけど」
『……セラ、君は自分の能力に気付いていないだけなんだ』
いつもよりちょっとだけシリアス味を帯びた声で囁かれれば、セラも流石にちょっとぐらりときてしまうのだけど。
『――じゃあ、ね。そろそろ、出口も見えてきた頃だろう? そっちの世界の俺に会えたら、その時は宜しく頼むよ』
「ああ……僕もいつかロジャーに会えるのを楽しみにしているよ」
『ふふ。その時はその時で、ちょっと別の期待もしているよ。もっと深い仲になれたらいいなぁ〜、なんちゃってね』
「だから僕は男だよ」
冷静な顔でそこはシッカリ訂正しておいてから、だけどもセラはちょっとだけ吹き出した。
「……セラ!」
そしてその声がもうはっきりと聞き取れるくらいの距離にまで、近づいてきているのが分かった。
『それじゃあ――本当にさよならだ』
「……うん」
創介の声がくっきりと聞こえるようになるに従って、ロジャーとの別れのタイムリミットも迫ってきているのが分かった。名残惜しくはあったが、その時間も無駄にできないという事はセラもロジャーも互いに理解している。
次第に電話口にノイズが混ざり始め、セラがさよならを口にする前に電話は途絶えてしまったようだった。だけど、立ち止まってはいけない。それが彼との約束だ。
「――創介!」
今度はセラの方から彼の名前を呼び、手を伸ばしていた。そこには他に誰がいるのだろうか? ミミューや有沢達も無事に合流してくれていればいいのだが。
手を伸ばすと、それを不意に掴み返された。長い事暗闇の海に落ちていたその目は、急に見た光によって眩んでしまった。
が、引っ張り出されるままにセラは身を乗り出した。
「せ、セラ! やっぱり……!」
飛び出した先は自分が先程までいた闇よりは明るい場所だったが、しかし瘴気の漂う異様な場所であった。
「くっ、ゲホッ……ここは!」
セラが今、自分の身体が随分と狭い通路にあるなと思い振り返ってみる。と、自分の身体はどうやら巨大な置時計の内部にあった隠し通路から出てきたのだと知った。
振り子が止められた状態のその時計から、小柄なセラの身体が出てくるのにそう苦労はなかったようだったが。
「セラ! お前何だってこんな場所から!?」
あれこれ説明したいのだが、自分でもいくつか腑に落ちない箇所もあるので上手くまとめる自信が無い……セラは顔についたホコリを手で払い、それから創介の手を掴んで立ち上がった。
「ありがとう、創介」
「な、何が!?」
「――多分、お前が僕の声に気付いてくれたお陰だよ。僕が戻ってこられたのは」
「え、そ、そうなの……?」
正直、創介に自覚などあるはずも無い。只、何か声が聞こえたから自分もそれに応えた。それだけなのだから。
「――ここだ!」
ふと、更に騒がしくなり始めたのに気付くとミミュー達も到着したらしい。有沢がその先頭に立つ形で、その後ろにミミューとナンシーが続いていた。参上するなり真っ先にミミューが驚愕の声を漏らした。
「、ああ! みんな……ぶ、無事だったんだね〜!」
ミミューの声に有沢が反応を寄越した。
「セラもいるのか?」
「うん、勿論! みんないるよ、みんな!――創介くん、セラくん、無事に合流できたんだね」
その言葉に、有沢は何か複雑げに一瞬ばかり顔をしかめた。が、勿論周囲がそれに気付くわけもなくほんの僅かな隙のうちに流されてしまったらしい。まあ、気付いたところで構っていられる程の余裕もそう残されてはいないのだが。
「あ、ああ。何とかこっちは無事。けど今はそれより……」
創介が叫んで、交戦真っ最中のその室内を見渡した。忙しなくその場面を追うと、ミミュー達もすかさず正面へと向き直るのであった。
「こりゃあまだまだ休ませてくれる気はなさそうだぞ……」
立て続けのその事態に再び詠唱を止めていた老人だったが、事態がほとんど逆転しているのだと知り焦りを感じ始めたのだろう。焦燥感に駆られるように立ち上がり、指を鳴らすとミミューらの背後にあった扉が勝手に閉じた。
「お前達!……寝ている場合ではないぞ、さっさと起きろ!」
老人の指示によって停止していた筈のオートマタ達が再び起き上がり、いびつな動きながらにも残る意思だけで動き始めたのだった。
もう戦える状態ではないのは火を見るより明らかなのだが、彼女ら――いや、彼ら、も含まれるのか――は永遠に、そう物理的な意味合いで死ねないのかもしれない。
「……きたきたきたきた! みんな準備は大丈夫!?」
「ど、どう見たって壊れてたのに指示一つで再び動き出すなんて……」
ナンシーが難色を示したように呟くが、もう嘆いている場合でもなさそうだ。首の無いメイドや、両腕の無いメイドが、デタラメな動きを繰り返しながら近づいてくる。もはやそれだけを運命づけられた、ゼンマイじかけの玩具のように。
ラプラスの魔といえば
ゲームの裏設定系怖いよな。
ポケモンはもう散々既出かもしれないけど
たまにぽろっと新しい情報出てきて
目からウロコだわ。
プルリルが胎児の霊とか、
初代のシオンタワーで戦うライバルの
手持ちにラッタがいなくなってる理由とか
ミュウツーを作ったのはシオンタウンのフジ老人とか。
ガセか分からないけどこういうの面白いね。
ポケスペっていう漫画はそんなポケモンの黒さが
全開な漫画なのでわしはすき