前半戦


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04-2.イノセント・ドール



 やがて創介は歩きながらポツリ、と呟く。

「……それにしても小夜さんかぁ」

 出た。また創介の病気が始まったのだと、皆相手にもしない。

「人形でもいいなあ〜。綺麗だったなあ〜。……って何か俺ヤバイ発言だな今の。人形でもいいって……」
「――お前はすぐにそうやって誰でも口説こうとするな」

 横にいたセラが呆れたような声を漏らすので、創介が視線を横に向けた。

「……僕には何のねぎらいの言葉も無いのに」
「ア?」
「何でもない」

 ほとんど聞きとれるか聞きとれないかくらいのボリュームと早さで、セラが呟いたのだが創介の耳には届いていなかったようだ。

 そんな二人の背中を見つめながら、雛木が何やら考え込む様な顔をしているが……。

 ところで今回のナンシーは一人部屋らしい――まあ彼女には武器もあるし何かあればすぐに逃げて来れるとは思うのだが。対する男性陣は二人部屋なので、一人余るという計算だ。

「――え、僕?……ひ、一人なの!?」

 ミミューが驚いた声を上げて、自分を指差した。

「そりゃそうだろ。誰と相部屋になるつもりだったんだ、アンタ」
「ええっ! やだよ、そんなの寂しいし……創介くんたちの部屋に行っていい? 一人は嫌だよ〜、怖いって!」

 ミミューが甘えるような口調で言いながら創介の腕にしがみついた。

「なーーーにが寂しい、だ! 三十路前のいい歳こいたオッサンが何ゆってんだよ! つうか絶っ対にヤダ! 神父とだけは絶対に嫌だもん、俺! 確かに一緒にいれば命の危険は少ないかもしれないけどてーそーの危機を感じるって、しっし!」
「だーかーらーさー、何もしないって言ってるでしょ〜! ほら、トランプとかしようよ。一緒にさあ、楽しいって絶対。何なら手品とかも出来るよ僕」
「い、いやいいよ、一人でしてろよ……ていうかするつもりで持ってきたのかよトランプ……」

 やや引き気味の薄ら笑いを浮かべる創介が、その腕を振りほどくようにもがいた。

「神父」

 ふとセラが呟いた。

「良ければ、僕と同部屋にしませんか? 創介は一人にして」
「えっ」
「……別に僕とお前が一緒になる必要も無いんじゃないか、無理して」
「え、え、え。ちょっとセラさん?」

 当然創介の焦り方は尋常ではない。今まで当たり前のように守られてきたのだから、それが急にいなくなるというのは何ともまた……。

「ホワイ? 何故?」

 理解できない、といった様子で創介が首を傾げながらセラを見るがその間にもセラはつかつかとミミューの方へと向かう。

「神父、行きましょうか」
「えっ……あ、あのセラくん。創介くんは」
「ちょっとセラ! 分かったよ分かったってば、三人部屋にしよう三人でいいよ! ちくしょー!!」

 必死にセラの腰にしがみつきながら、今度は創介が泣きつく番であった。

「……? 何なんだ、一体」

 有沢が不思議そうにそのやりとりに耳を傾けていた。雛木は腕組み姿勢のまま、その光景をじっと何か勘ぐるように見つめているのだった……。




わーあいのり化してきて楽しいな!!
今はあいのりよりテラスハウスかな? 
テラスハウスも古いか!
でもテラスハウスは恋愛部分よりも
黒歴史を毎回量産していくところの方が面白いんだよ(暗黒微笑)って
友達が言ってて斜め上から見るものなのかなと思ってたけど
会社のリア充までもが似たような事言ってたので
やっぱりそういう見方で正解なようだw
黒歴史といやあ、昔と違ってデヂタル化した現在では
中二病もネットに残るからやばいよね。
私らの年代ではノートまでで食い止められていた
オリジナルキャラ設定もボタン一つで公開できちゃうんだしね。
まあこのサイトも似たようなもんだけど。



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