Rainbow world


ギャグ甘
アツへ 相互記念



俺たちはいつも下校する際には校門で待ち合わせをしている。○○は玄関から俺の姿を見つけると、急いで走ってやってきた。小柄な彼女がこちらに走って来るのを見る度に俺の胸は熱くなり、不覚にも口元は緩む。


「イタチ…お待たせ。」
「それほど待ってはいない。ほら、行くぞ。」
「う、うんっ」


そう言うと、どちらからともなく手を繋いだ。俺より20cmくらい背の低い、可愛い可愛い俺の彼女。栗色の髪をして、真っ黒な瞳をして、桃色の唇をして…やばい。

○○の身体をまじまじと眺めながら、イタチは慌てて自分の下半身をなだめた。それから暫く経った時、突然雨が降ってきて2人を濡らす。


「イタチ、夕立が…!」
「仕方ない、どこかで雨宿りでもするか…」


彼は○○の手をしっかりと握り、急いで近くのコンビニに駆け込んだ。しかし暫く経っても雨は一向に止む気配を見せようとしない。


「なかなか止みそうにないな…」


と呟きながら○○の方を見ると、なんと雨に濡れた彼女のブラウスが肌に張り付いており、下着が透けて丸見えだったため、イタチはごくりと生唾を飲む。


「(…流石にコンビニで…こんな破廉恥な…)」
「?イタチどうしたの?」


…ぷつん。

上目遣いで心配そうに自分の顔を覗き込んできた○○を前に、イタチの中で一瞬にして何かが音を立てて崩れ始めた。そして彼は彼女の腕をぐいっ、と引っ張ってコンビニから外へと連れ出す。


「え!?イタチ、まだ雨がっ」
「全速力で俺の家まで走るぞ!」
「えぇ!?」
「もう限界なんだ!!」
「?」


○○はイタチの言っていることの訳がさっぱり分からず、ただ首を傾げる。が、実際に走り出したその時、偶然彼の股間が目に入った彼女は、くすりと笑った。


「なんか言ったか?」
「…イタチ、出したくてたまらないのね。」
「ぶっ」


○○に全てを気付かれてしまったイタチは、真っ赤な顔で彼女を振り返った。


「お、お前、」
「…あ、雨が止んだ!」
「…本当だ…」
「見て、綺麗な虹…」
「いっ、いいから走れと言っただろう!」
「えー?もうちょっと見たいなぁ…」
「俺のことも少しは考えてくれ。」
「はいはい。」


イタチに急かされた○○は虹を見るのを渋々諦めて、彼に腕を引かれるまま再び走り始めた。


今日の空は鮮やかな虹色。
今日のイタチの脳内も、彼等のこれからも、素晴らしく虹色だったとか。


しかしあの後結局どうなったのかは、2人だけが知っている秘密の話で。


Rainbow world

(それは2人だけのとてつもなく幸せな世界)


2009.4/8
- 28 -

prev  +  next
(back)

thank you!! :)



「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -