バイバイ。
悠×捺希
悠と離れてから、何年かが経った。
私は大学に進学して、心理学を学んでいる。
私みたいな想いをした子の話を聞いてあげたい、そう思ったから
月日は優しくあの幸せだった時間を忘れさせてくれた
新しい友達もいる
意外と、うまくやってる
そこそこ楽しんでる
だけど、そう
今日みたいに柔らかく陽が照るようなこんな時は、ついあの頃を思い出してる
ささいな事で笑いあって、喧嘩して
すぐに仲直りして、
あの頃の私は悠に依存していた
今思えば、何故あの子だったのかはわからない
何故、彼女じゃなきゃ駄目だったのかですらも
それでも悠が大好きだった
多分、今でも
仮に偶然、悠に会っても、今の私なら笑顔で話す事が出来る気がする
そしてあの時、言えなかったことも言える。
言いたいことはたくさんあったわ
ずっと好きだった。とか
この先も、嫌いになることはない。とか
ありがとう、とか
わがままでごめんね、とか
でもその中でも一つだけ選ぶのなら、これを一番伝えたい
「貴方に出会えて、幸せでした」
愛してる、そう小さくつぶやいて、今まで消せなかったアドレスを、そっと削除した。
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