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「なに、じゃあ一時間もここで待ってた訳?」


「うん!……なんかダメだった?」


「………………別に」




とーやは最近なんだかそっけない。

へへ、と俺がはにかんでも俺を見て笑ってくれない。

ちょっとだけ寂しい。





別に最初からこんな感じじゃなかったんだよ?

付き合いだした頃は俺がベタベタくっついても笑って返してくれてたし、メールも当たり前に返してくれてたし……

ほんとちょっと前まではすごく上手くいってた、俺達。


俺なにかしたのかなあー………考えてみてもなあんにも思い浮かばない。



それでも、急に態度が変わって俺もびっくりしちゃって、泣きながらとーやに聞いたときは、ほんとなんでもないから、ごめんなって言いながら抱きしめてずっとよしよししてくれた。



でもその次の日にはまたとーやは冷たくなってた。
一年生の時は同じクラスだったから話す機会もじゅーぶんあった。まあ俺からしたらまだ足りないくらいだったけどねっ!

でも二年生になってとーやとクラスが離れてしまった。
遠いっていっても同じ階なんだけどさ。


そういえば、とーやが冷たくなったのは、二年生になってからだった。







「そーだ、とーや俺になんか用があるんだよね?」


「ああ」


「なんか重大な話?なら放課後どっか寄って話そーよ」


「すぐ済むからいい」



俺の提案はバッサリと打ち切られた。
うーん……話を引き延ばしてとーやといっしょに帰る作戦、失敗!
あわよくば相合い傘して帰れるんじゃない?とかちょっと期待したのになー……




「そっかあ…残念!それで、どーしたの?」


出来るだけ明るく振る舞っては見たけど、実際はちょっとだけ凹んだんだよ。


でもでも、俺はまだ期待を捨ててはいないぞー!

だって今日は、特別な日だから……


とーやもきっと覚えてくれてるよね?


ああ、といっていかにもわざとらしく今思い出したかのように振る舞うとーや。


「あのさ、」


「うん!」

満面の笑みの俺を見て、気まずそうに目を逸らす。

そんなとーやの仕草もすごく可愛くて好き。

昔似たようなことをとーや本人に言ったら、俺を可愛い呼ばわりするのはお前くらいだって言われて呆れられちゃった。


でもでも、そのあとに「サトの方が可愛いよ」って言ってくれたんだよー!!


ほんと、ラブラブだったの俺ら。




「あのさ、俺と………」




"仲直りして"


そういうんだよね?

そういったら俺すぐに頷くからさ、抱きしめてほしー…

最近ほんとにとーや不足だからいいでしょ?





だって今日で、




「別れて」





俺ととーや、付き合い始めて一周年じゃん?







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