第三輪

信じて裏切られるのには、耐えられる?

××

………どこから、間違えたんだろう

もう何回目になるかもわからない自問自答

私のやってる事は間違ってる事かもしれない、でも、それでも後悔はしたくない

だから、がんばって前に進んできたのに、それは本当によかった事なのかな?

はるなんはどう思ってるんだろう

きっと、私を恨むよね、うん、絶対そうだよ

ねぇ、はるなん

私の事はいくら恨んでも構わないからさ、きーちゃんのこと…嫌いにならないであげて

だって、世界でたった一人の家族を嫌うだなんて、きっと凄く悲しくて、凄く羨ましい事なんだからさ


××


朝…といってもここでは時間の感覚なんてわからない

ただどこからか聞こえる放送の音に従って起きる、2日も続けば自然となる行為

まず朝起きたらはるなんも起こして着替える、着替えると言ってもウェアにだけど…

次に部屋の前に置かれているパンを食べる、1人一個ずつ

それが終わったら部屋に施錠をする、この時はるなんは危ないから部屋に残しておく

で、次に研崎の部屋に行ってよくわかんないエイリア石の説明をされる


………ここ2日過ごしてみたけど、とくに何も無かった

誘拐される位なのだから何かあると思ったのだが、杞憂だったのだろうか?

いや、それともこれから何かやるのかもしれない…油断はできないってことだな


「それでは、これから実践をしてみましょうか」


研崎が立ち上がり、移動する

私も急いで椅子から立ち上がって研崎の後を追う

実践?いったい何をやるんだろう

エイリア石の効果でも試すのだろうか?でもそれだったらジェミニやイプシロンでもう終わってる気もするのだが…

まだ、なにかあるんだろうか?


××


研崎に案内された先は暗い練習場

?、なんで明かりを点けないんだ


「あぁ、そういえばあなたに仲間を紹介しないといけませんね」


パッと、部屋の中央に明かりが点く

突然の事だから一瞬目を閉じてしまった

だけど、目を開いて後悔した…なんで目を開けちゃったんだろうって


「えっ、なんで…居るの?」


明かりが点いた部屋の中央…そこには懐かしい顔ぶれ、雷門の入院組が居た

なんで、なんで皆がここに居るの?


「どういうことだ研崎!!なんであいつ等がここにいる!!」


なんで?だって犠牲になるのは私だけで充分でしょ?足りないって言うの?

ダメだよ、だってこいつ等、本当に凄いサッカー選手で、まだ未来だってあるのに

まさか、皆を無理やり連れてきたんじゃっ

皆はまだ怪我が治ってなくて、入院してなきゃいけないのに!!


「おや、何か勘違いしていませんか?彼等は自分の意思で来たのですよ?」


え?


「その通りだぜ、俺達は力が欲しいから自分達の意思でここにいるんだ」


そっきゅん、何言ってるの?

自分の意思で?

こんな所に?

危ないのに?

なんで、そんな、だって


「それでは、早速実験に移りましょうか」


そう言って研崎が出て行き、扉をロックする

すると部屋全体に明かりが点き、どこからか大量のサッカーボールが落ちてくる


「貴方達は全力で風丸君にボールをぶつける、そして風丸君はそれを全力でブロックしてください」


どこから研崎の声が聞こえてそう言う


「あぁ、別に生死は問いませんよ、代わりはいくらでも居ますし」


それだけを言うと放送は切れた

生死は問わない?何それ、私達死ぬような実験させられるって事?

止めて、止めてよ…こんな所でそっきゅん達を終わらせないでよ

だって、こいつ等、私の大事な友達なんだよ

お願いだから、私の命だってあげるから


「じゃぁ、始めるぞ」


そっきゅんがボールを1つとり、シュート体勢に入る


ねぇ、お願いだから、私の命が消えたって良い

そっきゅん達を…これ以上傷つけないでよ





ハナズオウ


(裏切り)


(バラバラになってしまった絆)


(一体誰が最初に切ったのだろうか)

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