the Way You Are - side K -[5/8]

当然のことながら、初代ミス桜朋に輝いたのは七瀬だった。

優勝賞品のカレーチケットクラス人数分を手にしながら誇らしげにステージに立つ七瀬は確かにあまりにもかわいい女子高生で、俺はこの姿をスマホで撮っている奴ら全員の画像を消して回りたい衝動に駆られていた。

そうだ。結局俺はどうにも気になってしまい、七瀬がミス桜朋に輝く一部始終をこの目で見届けていた。
コンテストが終わったその勢いで後夜祭が始まり、ステージの上では賑やかなバンド演奏が繰り広げられている。


「カイくん! カイくーん!」


ギャラリーに散々もみくちゃにされてようやく俺の元へと辿り着いた七瀬は、とびきり嬉しそうな笑顔を向けてきた。


「ねえ。俺、優勝したよ!」


よくやったなとでも言えばいいのかもしれないが、それも何だかおかしい気がして、俺は頷くことしかできない。


「カイくんも俺に投票してくれた?」


「カレーが食いたいからな」


目を合わさずにそう答えれば、「じゃあ、一緒に食べようねっ」と照れたように誘ってくる。ふわふわの髪が風に吹かれて小さく揺れている。こいつ、いつまで女子高生の格好でいる気なんだ。


「ね、カイくん。約束覚えてるよね?」


窺うように顔を覗き込んでそう口を開く。約束というのは優勝したら最後まで云々、のアレのことだろう。黙っていると、相変わらず強引に俺の腕を引いて歩き出す。


「俺、どうせ着替えるし。一緒に戻ろ?」


少しぐらい我慢できないのかと思うが、約束は約束だった。誘われるままに、俺は七瀬と共に校舎へと向かう。
教室に戻って着替えを手にした七瀬は、さっきの視聴覚教室へと俺を引っ張っていった。教室よりもこちらの方が人こ来る可能性は断然低いが、それでもけっしてゼロではない。誰も通らないことを願うばかりだ。


「まずは、さっきのお返しねっ」


押し切られるままに壁に背を付けて立てば、七瀬は俺のベルトに手を掛けて前を寛がせていく。
嬉しそうな顔でその場に屈み込み、既に勃ち上がってきている俺のものを取り出して躊躇いもなく口に含んだ。ゆっくりと動き出す小さな頭を撫でようと手を掛けて、ああそういえばウィッグだったなと気づく。
ちゅるちゅると下肢からひっきりなしに響いてくる卑猥な濡れた音に、性欲が刺激されていく。どう控えめに見ても制服を着た女子高生が俺のものをしゃぶっているとしか思えない。それでいて中身は七瀬なんだから、これはもう何かの冗談であってほしい。


「 ─── っ、七瀬……」


限界を訴えると七瀬は浅く咥え込んだまま小さく舌を這わせて、手で根本をさっきよりも強く扱き上げる。ゾワゾワとした快感に身を任せれば溜まっていた熱は容易く弾けて、温かな口内に吸い込まれていった。



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