「………ん、っ……」七瀬はおもむろに立ち上がり、俺の目の前でごくりと喉を鳴らして口の中のものを飲み込んだ。小さく動く喉仏の存在が、七瀬が男だということをはっきりと主張する。「あ、カイくんの、おいしい……」そんなわけがあるはずもないのに恍惚とした表情で俺を見つめる。艶やかなピンクの唇から、飲み込み切れなかった白濁がするりとこぼれていった。全くエロいことこの上ない。「ほら、七瀬」慌てて濡れた顎を親指で拭えば、今度はその指ごとパクリと咥えられてしまう。チュッチュッと吸い付くように残らず舐め取った七瀬は、唖然とする俺に照れたような笑顔を向けてくる。「だって、もったいないし」もったいないの意味が全くもってわからない。見た目はかわいくても、やっぱり七瀬は変態だ。締め切った教室は日が落ちてきて次第に薄暗くなっていく。1番近い長机の上に華奢な身体を押し倒して仰向けに寝かせれば、スカートから覗く太股の白さにクラクラする。俺の目の前にいるのは七瀬のはずなのに、いつもの七瀬じゃない。倒錯的なシチュエーションに目眩を覚える。スカートのポケットから七瀬の常備品である携帯用ローションを取り出して、掌にこぼした液体を人肌に温めていく。下着を全部脱がせてしまえば、そそり立つそれがスカートをピンと押し上げていた。「あ……カイくん、早く」両膝を曲げて、つま先を机の縁に掛けるというあられもない格好で、七瀬は切なげな声をあげる。その足下に立って露わになった後孔に指先で触れれば、待ち焦がれたように腰を浮かせて誘ってきた。何度か入口を撫でてから、ゆっくりとその中へと指をうずめていく。俺の与える刺激を受け入れながら、目を閉じて息を吐き、時折上擦った声を漏らす七瀬は、化粧のせいかまるで別人に見えた。「………あ、あっ、ん……ッ」少しずつ慣らしながら指を3本に増やした頃には、七瀬の中はトロトロに融けてしまっていた。抽送に合わせて吸い付くように蠕動を繰り返して、おいしそうに指を呑み込んでいく。かぶりを振りながら、七瀬は荒い呼吸の中うっすらと目を開けて俺を見下ろした。甘く濡れた瞳にドクリと心臓が高鳴る。「カイくんの、挿れてえ……」快楽に蕩けて舌足らず気味に紡がれる言葉にゾクゾクと背筋が震える。絡みつく七瀬の中から指を引き抜いて、取り出した半身をあてがい少しずつ挿入していけば、物欲しげにヒクつくそこは難なく俺を受け入れていった。「ああ、あっ、ん……ッ」痛いぐらいに締めつけてくる強い刺激に堪えながら最奥まで到達すれば、七瀬は息を吐きながら腰を揺らして一段と俺を煽りだした。何だか妙な気分だった。女の子の格好をした七瀬は確かにかわいいと思う。けれど、俺の中ではモヤモヤとしたわだかまりが渦を巻いている。 - 39 - bookmarkprev next ▼back