様子がおかしいなんて思った俺がバカだった。外見は女の子にしか見えなくても、中身は間違いなくいつもの七瀬だ。「お前、もうすぐ集合時間じゃないのか」呆れてそう言えば、うるうると瞳を揺らしながら泣きそうな顔で訴えてくる。「だって、緊張してムラムラしてきたんだもん。早く挿れて早く出してくれればそれでいいから!」「アホか」こんなにも立派な変態なのに無駄にかわいいだなんて、全くこの世界の歯車は歪んでいる。忌々しく思いながら七瀬を壁に押しつけて額に軽く口づけた。わ、カイくん、と小さく呟くその唇には艶やかなグロスが塗られている。これからコンテストに出るのにこれが取れたら塗り直す時間はないかもしれない。スカートを捲り上げれば下着はちゃんと男物で、そのことに俺は安堵する。「ほら、手伝ってやる。俺はいいからお前だけ出せよ」「え、えっ」下着の上から手を挿し入れて昂ぶるそこを握りしめれば、手の中でビクビクと大きく蠢く。なんで何もしてないのにこんなことになってるんだ。全くタチが悪い。「ん、カイくん……」緩々と扱き始めると、両腕を首に絡ませてしがみついてくる。見た目は女の子なのに掌に触れる部分は間違いなく男の象徴で、妙にいけないことをしてる気分になる。すぐに滲み出てきた先走りを親指で掬い、それを広げるようにまた上下に擦れば七瀬は腰を揺らしながら耳元で切なげな声をあげた。「や、ダメ……あぁ、カイく……あッ」ガクガクと崩れ落ちそうになる身体を押しつけてくる七瀬は、もはや腹が立つほどかわいい。この格好を大勢の前に曝すつもりかと思うと無性に苛立つ。人前に出させたくないと俺が思うこと自体、間違ってるっていうのはわかってる。わかってるからこそ、余計に焦燥感が募る。「ダメって、お前がムラムラするって言ったんだろ」「……ちが、制服、汚れる…っ…あぁっ」瞳を潤ませながらそう訴えてくる七瀬に、そう言えば手ぶらでここへ連れて来られたことに思い当たる。クソ、と心の中で悪態をつきながら、俺は目の前で縋るように見つめてくるその小さな顔を覗き込んで、きちんと言い聞かせるために口を開いた。「しばらく我慢して1人で立ってろ」「 ─── え、ちょっ」その場に屈み込んで、支えを失ってふらつく七瀬の下肢を壁に押しつける。床に跪いてスカートをたくし上げれば、そこには今にもはち切れそうに勃ち上がったものが濡れて光っていた。口を開けて先端からがぶりと咥えると「ひゃああっ」と情けない悲鳴が聞こえてきた。引けていく腰に片手を回し、しっかりと抱え込んで固定する。 - 36 - bookmarkprev next ▼back