Stay with Me[6/9]

切羽詰まった訴えにそう答えて、手の動きを速めていく。腕の中で李一くんは身体を震わせながら果ててしまった。


「………は、あ……ッ」


ビクビクと痙攣する背中に宥めるようなキスを落としながら、掌で白濁をこぼさないように受け止める。
出ている量が少ないのはさっきもセックスしたからだ。無理をさせてしまったかもしれないと思うと、安易に誘った自分の考えのなさを後悔してしまう。
李一くんはけっして非力ではないけど、そこまで体力があるというわけでもない。虚ろな瞳をしたままぐったりとベッドに身体を預ける李一くんを見下ろしながら、俺はティッシュで軽く手を拭う。

雷の音や光はまだ止まないけれど、もう李一くんはそんなことを気にも留めてないように見えて、俺は少し安心する。


「李一くん、寝ようか」


ちっぽけな理性を必死に掻き集めてそう提案した途端、ぼんやりしていた李一くんの瞳にみるみる光が宿っていく。舌打ちしながら俺の顔を見上げて、李一くんは忌々しそうに言い捨てた。


「勝手に終わらせるな」


「ハイ、すみません」


だって李一くんが、つらそうだから。
そう言いたかったけど、俺は李一くんに逆らうことなんてできない。だから続きをするために起き上がって、サイドボードから取り出したローションの中身を掌の上にそっと落としていく。
ゆっくりと人肌に温めた粘度のある液体を指に絡めて、もう一度ベッドに入り込んだ。

俺に背中を向けたまま横たわる李一くんは、すごく無防備な小動物のようだ。肩で息をする姿態に、いつも以上に庇護欲を掻き立てられる。
手を伸ばしてハーフパンツと下着をずらしてから後孔にそっと触れれば、そこはさっきお風呂に入った余韻のせいか、しっとりと濡れていた。

こんなところに俺のを挿れてしまうなんて、それだけでも大変なことだと思う。
少しでも身体に負担を掛けないように、そろそろと指を埋めて浅く抜き挿しを繰り返す。


「……ん、ふ、あぁ……っ」


指を締めつける内壁はすぐに熱く蕩けてうねり始める。気持ちよさそうな李一くんの声を聞いてるうちに、早くひとつになりたくてたまらなくなってきた。
3本の指を挿れて李一くんの弱いところをそっと撫でれば、一際大きな喘ぎ声がこぼれてくる。指に絡まる李一くんの中は、もうすっかり濡れて解れてた。


「あ、ぁ、湊人……ッ」


「ん。李一くん、挿れるね」


ずるりと指を引き抜けば李一くんの身体がまた小さく震える。俺は掌に塗ったローションをガチガチになった半身に擦り付けて、先端を李一くんの後孔にあてがった。
まだ挿れようともしてないのに、そこは吸いつくように俺を呑み込んでいく。熱く纏わりつく粘膜があまりにも気持ちよくて、頭がクラクラしてくる。

ゆっくりと中を開いていって、ようやく奥まで到達すると深く息を吐いて俺を受け入れようとしてくれてるのがわかった。
横向きで後ろから李一くんを抱きしめたまま、そっと腰を動かしてみる。この体勢だとあまり深いところまでは入らない。それでも李一くんはちゃんと感じてくれてるみたいで、声を漏らしながら時折ギュッと俺を締めつける。すぐにでも持って行かれそうだ。
緩やかな抽送を繰り返しながら、俺は華奢な身体をしっかりと両腕で抱いて囁く。


「李一くん、好き」



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