軽く開いた唇を食むようにキスをして、七瀬の中へと指を挿れていく。
「んんっ、あぁ……、アッ」
さして弄ったわけでもないのにそこはもうぐずぐずに融けていて、指を奥まで取り込もうとするかのように吸いついてくる。舌を絡め合いながら、熱く濡れたそこに指を突き立てて何度か往復させていくうちに、七瀬はくぐもった声をあげながら物欲しげに腰を揺らし始めた。
「んっ、ここに、カイくんの挿れてえ」
俺の手に手を重ねて上目遣いでねだってくる七瀬は、もはや犯罪級にかわいい。七瀬の中から指を引き抜いた俺は両脇に手を差し込み、華奢な身体を抱き上げて自分の腰の上に落とす。互いの体温を確かめ合うように対面で軽く抱き合ってから、七瀬は俺に跨ったまま膝立ちになった。
昂ぶる半身を握りしめて先端を小さな窄まりにあてがうと、七瀬が少しずつ腰を落として、俺を呑み込んでいく。
「あ、カイくんの、入る……あぁっ」
仰け反る首筋に唇をあてて軽く吸えば、七瀬は泣きそうな喘ぎ声をあげて腰を揺らめかせた。俺を包み込む中が、収縮を繰り返しながら締めつけてくる。強く波打つその動きは、果てるときのものだった。
「あ……イっちゃった……」
肩で息をしながら、潤んだ瞳で恥ずかしげにそう呟く。こんな些細な刺激で果ててしまうほど、七瀬は俺のことが好きなんだ。そう思うと、また愛おしさが込み上げてくる。
「七瀬」
最奥まで貫いたまま、細い身体をギュッと抱きしめる。耳元で名前を囁けば、腕の中の身体がぶるりと震えた。
「俺、カイくんの声、好き……」
そう言って顔を上げて、額をくっつけてくる。
「カイくんのキリッとした顔も、いい感じに締まってる身体も、頭がいいところも、ツンツンしてるけど本当は優しいところも、全部大好き」
頬を赤らめながらそんな告白をしてくる七瀬の身体は、汗に濡れて熱く火照っている。
「あと、おちんちんがおっきいところも。ふふ」
付け足すな。
ゆっくりと揺さぶっていけば、七瀬は振り落とされまいとするかのように俺にしがみついてくる。スプリングが軋む音に合わせて、耳元で甘い喘ぎ声がこぼれ出す。
「あっ、いい、……奥、あたる……あぁッ」
頼りないぐらいに華奢な背中をしっかりと抱き寄せて少しずつ抽送を速めていけば、七瀬は身体を震わせながら上擦った声で快楽を訴えてくる。 熱く蕩ける七瀬の中は、水音を立てて蠢きながら俺を包み込み、高みへと追い上げていく。
ちょっと、いや、かなり変態だが、かわいい七瀬。
七瀬が俺以外の誰かにつきまとってこうして肌を合わせることなんて、考えたくもない。 そのもやもやとした気持ちの正体が何なのかを、本当はもうとっくに気づいてる。
「 ─── ああっ、カイくん、カイくん……ッ」
何度も名前を呼ぶのは、限界が近い証拠だ。ぴたりとくっついていた身体を俺はそっと離し、律動を緩めて顔を覗き込む。
肩を震わせながら涙目で俺を見つめる七瀬は、やっぱりかわいかった。
「カイくん、何……焦らしプレイ? そういうのも、好き……」
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