8,夏休み(天羽戒編) 集合
夏休み初日から1週間後
戒さんから連絡があった

『やあ、京くん。天羽戒だよ』

「...............はい、何でしょう」

誰かと思ったら戒さんだった
きっと、あの事だろう

そんな事を思っていると
戒さんが

『...最初の間はもしかして、突然僕から電話が来て嬉しさの余り声が出ず、抑えきれない感情をなんとか抑えて「はい、何でしょう」と、少し冷めた感じにツンな所を出して来たのかな?』

「...」

後半はあまり聞いてなかった

「えっと、違います」

『そっかそっか』

「そっかなんて思ってないですよね!?」

『思ってるさ、ははは』

乾いたような笑いが聞こえた
俺がいつツンデレキャラになったのだろう



「...で、用件は何ですか」

仕切り直して聞いてみた

『あ、そうだったそうだった』

たしか、戒さんの買い物につきあう事になっていた筈だ

『さて、僕の買い物に付き合ってもらうんだけども』

「はい」

『今日は火曜日だから......日曜日空いてる?』

「えっと、空いてますよ」

『そっか、良かったよ。じゃあ、京くんの高校の校門前で集合だよ』

「何時ですか?」

『朝の5時かな』

「無茶すぎます」

この俺に無茶言うなや

『おっと間違えた、午後の5時』

「午後のですか」

集合時間にしては遅いだろ

『あ、午後の1時だよ』

「あの」

「なんだい?」

集合時間ぐらいは普通に言ってほしい

これだけで、結構遠回りしている気がする


「分かりました。日曜日の午後1時に、校門前ですね」

『その通りだ、やれば出来るじゃないか』

「馬鹿にしてますよね」

『いやー?』

どうしてこう、会話の中に小ボケが入ってくるのだろうか

たまにならいいのだが、彼の場合は1文に1つボケを入れてくる

つっこむのも疲れてくる

逆にここまで出来ている俺を褒めてほしいぐらいだ

『じゃあ、また日曜日』

「では」



あ、そうだ、聞きたいことがあったんだ

「あの、ちょっといいですか」

『ん、まだ僕と話していたいのかい?』

「いえ、そういう事ではなく、どうでもいいことなんですが」

戒さんは
なんだろう。と、わくわくしていた

そこまで期待するような事ではなく
ただ、買い物とは一体何を買うのか

ということを聞きたかった

「その買い物とは主に何を買うんでしょう」

なんか恐る恐る聞いちゃった

『そういえば言ってなかったっけ』

「ええ」

『まあ、何を買うかと言えば正直今は言いたくないんだけど』

「じゃあ大丈夫でs」

『京くんが聞きたいのなら言おう』

「いや、だから」

人の話聞いてねえ...

『玩具を買いに行くんだよ』

「は、」

玩具ってまさかあの玩具じゃないだろうな...

『まあ、その玩具は大人の玩具と言えばそうだしそうじゃなかったらそうじゃない。みたいな感じ』

何を言っているかよく分からなかったが
大体の事を察してしまった

今聞いてよかった

『でもある意味子供の玩具だよね。あはは...はっ』

このあとしばらくの間戒さんが電話越しでさっき言った自分の言葉に笑い転げていた

「あの、そのお誘い断ってもよろしいでしょうか」

『駄目です』

「物凄くその買い物に付き合いたくないのですが」

『駄目と言ったら駄目だよ、僕』

くそがっ!!!!!

あと僕ってなんだ、ガキ扱いするな...!!



と、心の中で叫び

そしてツッコミを入れた



『次回!!

成人男性と男子高校生が
大人の玩具目当てにショッピング!!
の巻!! なんてね』

「なんですかそれは...」


完全に、成人男性(戒さん)に騙されてしまった


凄く行きたくねえ










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