一触即発


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任務へと出発した私はアレンの事が少し気になったけども任務が始まるとそれはすぐに消え去った。だけど、その任務はアクマとの軽い戦闘だけでイノセンスはなかった。近場だったのであまり時間がかからずに本部へと帰宅できて、コムイさんに報告する。お腹も空いてきたというかペコペコだったのでジェリーのご飯を食べに食堂へと直行した。




「ジェリー!おはよー」


「アラ!おはよう。任務帰り?」


「うん!お腹ペコペコだよー早くジェリーのご飯食べたい」


「アラ嬉しい!ならいつもの倍ね。腕によりをかけて作っちゃうわ!」




この見た目はいかついけどもオネェ口調の料理長ジェリーが作る料理はとっても美味しい!だからいつもついつい食べすぎちゃうんだーちなみにいつもはペペロンチーノに特大パフェ(内容はその日のジェリーの気分によって変わる)今日はお腹ペコペコだからいつもより多めに作ってくれるみたい!こういう細かい配慮とかもしてくれるから本当ジェリー大好き!




「お待ちどうさま!」


「ありがとう!いただきまーす」




2つを受け取り空いている席に座る。いただきまーすと誰にいうわけでもなく言ってペペロンチーノから口をつける。任務帰りのジェリーのペペロンチーノは最高だなーと幸せな気分に使っていたら急に怒鳴り声が聞こえてビクッ!となる。それは周りも同じで何事かとシーンとなる。怒鳴り声がした方を見ると神田と探索部隊。何かを揉めてるみたい。




「うるせーな。メシ食ってる時に後ろでメソメソ死んだ奴らの追悼されちゃ味がマズくなるんだよ」


「テメェ…それが殉職した同志に言うセリフか!!俺達、探索部隊はお前らエクソシストの下で命懸けでサポートしてやってるのに…それを…それを…っメシがマズくなるだと――――!!」


「「サポートしてやってる」だ?違えーだろサポートしかできねェんだろ。お前らはイノセンスに選ばれなかったハズレ者だ。死ぬのがイヤなら出てけよお前ひとり分の命くらいいくらでも代わりはいる」




お互いの意見を聞くと両方とも言っていることはごもっともと思う。エクソシストの人数はたいして多くないしこの食堂には私と神田くらいしかエクソシストがいない。周りはだいたいが探索部隊の仲間達に同調している雰囲気だ。止めるべきかどうするべきか悩んでいる間にも2人の口論は激しさを増していく。




「ストップ。関係ないとこ悪いですけどそういう言い方はないと思いますよ」




いつの間に食堂にやって来たのか隣には寄生型であるが故に大食漢で本当に1人で食べるのかというくらい大量の食べ物をカートに乗せたまま神田の腕を掴むアレンがいた。




「…………放せよモヤシ」


「アレンです」


「はっ1ヶ月で殉職にならなかったら覚えてやるよ。ここじゃパタパタ死んでいく奴が多いからなこいつらみたいに」


「だからそういう言い方はないでしょ」


「早死にするぜお前…キライなタイプだ」


「そりゃどうも」




一触即発な雰囲気でお互いが睨み合っていたけどリーバーさんが2人に任務がある事を叫ぶと何事もなかったかのように2人はそれぞれ歩き出し、食堂もいつもの雰囲気に戻った。私は未だに納得できない顔をしている探索部隊にさり気なく近づいた。私も2人の口論に思うことはあったので関係ないけど口は挟ませてもらう。




「神田の言い方は確かに酷かったけど、ここは食堂だよ。せっかくジェリーが心を込めて作ってくれた料理を暗い顔で食べてたらジェリーに失礼だよ。大聖堂を出たら私達は泣いてはいけないの。泣いてる暇があるなら亡くなった仲間のために努力したらどう?仲間は悲しんでもらうために死んだんじゃない…仇を討って欲しくて、自分の分まで生きて欲しくて死んだはずなんだから」


「っ……すみません…」


「神田もきっとそう言いたかったはず。口下手なだけなの許してあげてね」




顔もさっきと較べて穏やかになったから大丈夫だろう!空になった皿を戻してから私は自室へと戻った。



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