朝告げ鳥に餌を与えよ@

【お借りしたシナリオ】
クトゥルフ神話TRPGやろうず
あずま様の朝告げ鳥に餌を与えよ




七海「さて。皆が夜、すやすや眠りについたところから始めるよ」

狛枝「起きているのは駄目なの?」

七海「寝てね?」

狛枝「はい」

七海「さて。すやすや眠っている皆は、けたたましいシンバルの音で目を覚ますよ」

狛枝「あのさ」

七海「目を覚ますよ?」

狛枝「はい」

日向(ボケ封じだ……)

田中(ボケ封じか……)

七海「気付けば皆、見知らぬ部屋に閉じ込められていました」

田中「はっ……何故か鳥肌が……!」

左右田「大丈夫か? 苺とマスカット食うか?」

田中「や……止めろ! 止めてくださいお願いします!」

七海「皆の格好は農作業用の作業着だよ」

狛枝(しゅごい、スルーした)

七海「部屋には木製の扉が一つ、部屋の片隅にはテーブルが一つあります。テーブルの上にはシンバルを叩く、お猿さんの人形があるよ。あと一枚の紙も」

左右田「人形を解体しよう」

七海(そうきたか)

七海「えっと、ということは……触るんだね?」

左右田「田中、任せた」

田中「えっ、ちょっ、何故俺様に振るのだ!」

左右田「この中じゃあ一番SAN値高いし体力もあるだろ。SANチェック来ても、ダメージイベント来ても大丈夫だろ」

七海「おおっと左右田君、メタ推理は止めて頂こうか」

左右田「えぇぇ……じゃあ、俺は人形を解体したいんだけど、へたれだから田中に安全確認をして貰うってことで」

七海「ならば良し!」

田中「良いのかよ!」

日向「田中! キャラが! キャラが!」

狛枝「いや、そんな! あの手は何だ!」

左右田「窓に! 窓に!」

七海「さて、田中君は左右田君の頼みを聞くのかな?」

日向(二人をスルーした!)

田中「断る! 雑種如きの命令など聞く訳が」

狛枝「それは違うよぉ……」




狛枝の【言いくるめ(99)】→90→成功!




狛枝「田中君、君程の勇敢な男が何を怖じ気付く必要があるの? って言うね」

七海「よし、田中君は言いくるめられました」

田中「おいぃぃっ!」

日向「言いくるめ99には勝てなかったな……」

左右田「ほら、早くしろよ」

田中「こ、この下衆が……!」

七海「良い感じにPL同士が殴り合ってるけど、とりあえず田中君には人形を持って貰うね」

田中「ちょっ」

七海「さて、田中君が人形を手に取ると……『朝告ゲ鳥ガドッカニ行ッチャッター! コレジャ朝ハヤッテコナイ! 大変ダ、大変ダ!』と人形が叫びました」

田中「全力で投げるぅっ」

日向「受け取るぅっ」

左右田「つうかよお、鳥が何処かに行って朝が来ないって言ったよな?」

狛枝「言ってたね、しかも大変だって」

左右田「メタ推理抜きしても、その鳥が今回の重要ポイントっつうのは確かだな」

狛枝「そうだね。きっとその鳥を見付け出して朝を告げさせれば、何らかの進展があるに違いないよ」

日向「その鳥を探すのもあれだが、この人形どうするんだよ。解体するのか?」

左右田「あー……とりあえず目星安定だな。弄ったら爆発とかやべえし、安全確認第一ってな」

七海「じゃあ目星だね? 四人でする?」

狛枝「デストラップだったら怖いから、此処は日向君一人でして貰おうよ」

田中「インフィニティ・アンリミテッド・フレイム!」

左右田「それに賛成するぜ!」

日向「ちょ、ちょっと待てよ! 俺一人だなんてそんな」

田中「貴様は目星が99だろう、やれ」

日向「そうだけどさあ……」

狛枝「それは違うよぉ……」




狛枝の【言いくるめ(99)】→72→成功!




狛枝「早くしろよアンテナ野郎、って言うね」

日向「俺のガラスハートがブレイクした!」

左右田「最早言いくるめじゃない暴言だけど、俺は狛枝への突っ込みを放棄する」

田中「おい! 貴様が突っ込みを止めたら誰が突っ込みをするのだ!」

左右田「お前」

田中「えっ」

左右田「お前」

田中「えっ……」

七海「さて。日向君、目星しよっか」

日向「拒否権が! ないっ!」




日向の【目星(99)】→89→成功!




七海「全体的に出目高いなあ……でも、とりあえず成功だね。成功した日向君は……人形の背中の部分が、横へスライド出来ることに気付きます」

日向「こうなりゃ自棄だ、スライドさせる!」

七海「良いセンスだ。スライドさせてみると……中には時計が内蔵されていました、時間は五時だよ。あと、人形が静かになりました」

田中「ずっと叫んだままだったのか!」

左右田「五時ねえ……そういやテーブルに紙があったよな?」

七海「あるよ」

左右田「田中、どうぞ」

田中「だから何で俺様!」

左右田「俺はびびりなので」

狛枝「僕はゴミ虫なので」

日向「俺は目星頑張ったので」

田中「くっ……これだから人間は! 良いだろう、その紙を見てやる!」

七海「良い覚悟だよ、田中君! じゃあ、その紙の内容を見せるね」




【紙の内容】
 大変残念なことに朝告げ鳥の世話係が死んでしまった。
 もう何年も仕事をしていたと言うのに、どうやら餌を間違えてしまったらしい。
 それに怒った朝告げ鳥に殺されてしまったようだ。
 申し訳ないが、どこかに隠れてしまった朝告げ鳥を探し出し、餌をやってはくれないだろうか。
 朝告げ鳥が朝を告げるまでもう時間がない。
 残り、一時間と言ったところだろうか。
 申し訳ないが、頼まれて欲しい。
 万が一、朝告げ鳥が朝を告げられなかったらこの世はきっと大変なことになるだろうから――。




七海「以上です」

田中「異常です……とりあえず問題はないようだから皆にも教えるぞ」

七海「許可します」

左右田「ふぅん……人を殺す鳥か……何だよ、駝鳥並みにでかいのか?」

狛枝「鶏みたいなのを想像していたけど、これは拙いね……」

左右田「戦闘技能は重要じゃないって言ってたし、この餌ってやつで温和しくさせんじゃね?」

狛枝「多分そうだね。あとは何とか鳴いて貰って、朝が来るようにすれば良い……と」

田中「ふはっ! 魔鳥を使役するのは任せろ!」

左右田「へいへい」

七海(うーん……狛枝君が仕切るのは予想していたけど、まさか左右田君もなんて……)

七海(もしかして左右田君、結構なゲーム好き? メカニックだもんね、有り得る!)

七海(このセッションが終わったら、格ゲーの対戦相手になって貰おう)

左右田(はっ……何故か七海にフルボッコされるビジョンが……! もしかして俺、出しゃばり過ぎたか?)

左右田(やべえな……誰かとゲームなんて初めてだから、テンション間違えちまったのかなあ……)

左右田(ううっ……神話生物よりも、人間関係の方が怖いぜ……)

狛枝(あれ? 何だか左右田君、急に落ち込んじゃった……?)

狛枝(はっ……もしかして、僕みたいなスクラップ以下の人間と会話するのが不快だった……?)

狛枝(ううっ……誰かと一緒にゲームなんて初体験だから、嬉しくてつい調子に乗っちゃった……やっぱり僕は駄目な奴なんだ……)

日向(な、何だ? 左右田と狛枝が一気に盛り下がってるぞ?)

日向(もしかして……このシナリオは難易度が高いのか?)

日向(知識のある二人がああなるくらいだ、きっと恐ろしい展開が待っているに違いない……!)

田中(何だ此奴等……いきなり小難しい顔をして……)

田中(……)

田中(まあ良いや)

田中「七海よ、もうこの部屋には何も存在しないのか?」

七海「うん。テーブルと、人形と、紙と、扉だけだね」

田中「そうか……ならばこの部屋に用はない! 行くぞ烏合の衆よ!」

左右田「い、いきなり仕切り出すなよ! まあ、出なきゃ進めねえしな。タイムリミット付きだし……あっ、やっぱり人形は解体せずに持って行くわ」

七海「あれ? 良いの?」

左右田「この人形でしか時間確認出来ねえし、下手に弄って止まっちまったらやべえしな」

田中「賢明な判断だ、雑種よ」

左右田「うっせうっせ!」

七海「ふむ……で、二人はどうする?」

日向「俺も部屋を出るぞ。こういうのは一人になったら拙い気がするし」

狛枝「殺人鬼が居るかも知れない部屋になんか居られるか! 俺は自分の部屋に帰る! のパターンだね、死亡フラグってやつ」

日向「そうそう」

狛枝「僕も死亡フラグは立てたくないから、皆と一緒に出るよ」

七海「うん、判ったよ。じゃあ四人が部屋を出ました……すると扉がばたんと閉まり、すうっとその姿を消してしまいました……」

左右田「ぎにゃああああああああSANチェックイベントきたああああああああっ!」

狛枝「発狂用意は出来てるよ! さあ、さあ!」

田中「喜ぶな狂人共!」

左右田「俺まで狂人扱いかよ!」

日向「オーケー、先ずはそのガッツポーズを解こうか」

七海「うーん……とりあえずSANチェック、だよ?」




【SANチェック】
日向(45)→72→失敗

狛枝(30)→89→失敗

田中(50)→53→失敗

左右田(30)→54→失敗




七海「うん、判ってた」

日向「俺等のSAN値低過ぎぃっ!」

狛枝「これは発狂来る?」

左右田「来る?」

田中「落ち着け」

七海「えっと、皆失敗だから……1D3のSAN値喪失だね」

狛枝「発狂はなしか……」

左右田「1D6くらい来たらチャンスもあったのにな……」

日向(何で此奴等、発狂狙ってんだよ……)

田中(くっ……俺様の知っている雑種と違う……ゲームだと性格変わるタイプか……怖い……)




【1D3のSAN値喪失】
日向→3→42

狛枝→1→29

田中→3→47

左右田→3→27




七海「狛枝君凄いね。このSANチェック、成功しても1は減ったんだよ」

狛枝「ということは、成功したも同然なんだね! あはっ、こんなところでリアルラックは使いたくなかったなあ……」

日向「最大値……」

田中「これは痛いな……」

左右田「これは発狂まっしぐらだな」

日向「だからガッツポーズ止めろって」

左右田「クトゥルフは発狂してこそのゲームだぞ? 一時的狂気くらいにはならねえと!」

狛枝「それに賛成だよ!」

日向・田中(もうやだ此奴等)

七海「さて、かなり動揺しながらも発狂はしなかった四人は……部屋の外を見ます」

七海「先程の部屋に比べて、とても広い部屋です。左右の壁際には、地下と二階に続く階段が設置され、中央には動物の像が置いてあります。像は、龍が二体、亀、虎、鳥の合計五体です。中央の龍の像は、天に向かって昇るような姿で置かれています。また、この五体の像の奥には、木製のドアが一つ設置されています」

左右田「像? どんな並び方してんだ?」

七海「えっとねぇ……」





  亀
虎 龍 龍
  鳥




七海「こんな感じだよ。さっきの部屋に最も近いのが亀で、上記の並び順となります」

左右田(ああ、これって確か……)

狛枝(あはっ、あれかぁ……)

田中(ふっ、あれだな……)

日向(何だこれ……)

七海(日向君だけ何も判ってないっぽい顔してる……)

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