駄ン文ロンパ125
2015/08/16 06:00

【傍若無人! 左右田様11】


わいわいがやがや
どんどんじゃかじゃか
きゃっきゃうふふ

狛枝「あはっ、まさか左右田君が僕みたいな肥やしにもならないゴミカスと一緒にお祭りに行ってくれるなんて、こんなに幸運なことがあっt」

左右田「五月蠅ぇ」がっ

狛枝「っ――つぅぅぅっ……! 弁慶の泣き所はっ……弁慶の泣き所は蹴っちゃ駄目だってぇっ……!」ぷるぷる

左右田「林檎飴」

狛枝「ちょっと、ちょっと待って……まだ痛いから……動けないから……!」ぷるぷる

左右田「大丈夫か?」なでなで

狛枝「くぅっ……痛みの方が強くて、せっかくのなでなでが気持ち良くない……!」ぷるぷる

左右田「次から蹴るのは脛じゃなくて尻にするわ」

狛枝「うんっ……! そうしてくれると有り難いなっ……!」

左右田「……」

狛枝「ふぅ……ちょっと増しになってきた……」

左右田「……」

狛枝「さぁ左右田君、林檎飴を買おうか」

左右田「蛸焼き」

狛枝「あれ、林檎飴は?」

左右田「あれはもう過去の存在だ」

狛枝「そっか、じゃあ蛸焼きを買っt」

左右田「かき氷」

狛枝「蛸焼きは!?」

左右田「過去の存在」

狛枝「早過ぎるよ! まだ一分も経ってないじゃないか!」

左右田「……」

狛枝「……かき氷?」

左右田「烏賊焼き」

狛枝「うん、全部買おうか」

左右田「そんなに金は無い」

狛枝「僕が奢るよ! お金なら無駄に持ってるからさ」

左右田「傲るなよ狛枝」

狛枝「ごめんなさい」

左右田「……」

狛枝「あの……ごめ……」

左右田「半分こにしよう」

狛枝「……半分こ?」

左右田「交互に買って、お互いに半分やる」

狛枝「半分こ……つまり左右田君が長くて妖艶な舌で舐めた唾液付き林檎飴を合法的に僕がじっくりねっとり咀嚼出来るってことだね!」きらきら

左右田「……」

狛枝「……」

左右田「……」

狛枝「ごめんなさい……無言は辛いです……」

左右田「じゃあ林檎飴を買うぜ。おっちゃん、林檎飴一つ」

狛枝「え」

左右田「林檎飴ゲットだぜ」

狛枝「じゃあって……」

左右田「……」ぺろぺろがじがじもぐもぐがりがり

狛枝「え、え」おろおろ

左右田「ん」すっ

狛枝「えっ」

左右田「半分やる」

狛枝「え、あ、そ、左右田君……や、あの、それ……左右田君の……えっ……////」

左右田「早く食え」ずぼっ

狛枝「ふぐっ!?」もががっ

左右田「唾液付きだ、嬉しいだろ?」

狛枝「あ、ありがとうごひゃいまひゅっ!////」もぐもぐ

左右田「……」きょろきょろ

狛枝「んっ……」もぐもぐごっくん

左右田「……」

狛枝「あはっ……この林檎飴の木の棒、元い希望は大事に保管しよう……!」はぁはぁ

左右田「狛枝、蛸焼き」

狛枝「喜んで! お姉さん、蛸焼き一つね」

左右田「あれ、おっさんじゃn」

狛枝「失言阻止! はい、左右田君。先に食べて良いよ」すっ

左右田「……」蓋ぱかっ

狛枝「木棒の希望……何処にしまっておこうかな……」

左右田「……」ぷすっ

狛枝「とりあえず袋に……」ごそごそ

左右田「……」ふーっふーっ

狛枝「腐ったり黴たりしないように保存しなきゃ……」

左右田「あーん」

狛枝「ゑ?」

左右田「あーん」

狛枝「え、えっ……//// そんなっ、恋人にして貰いたいランキング上位に食い込む『あーん』をダンゴムシにも劣る僕如きが左右田君にして貰うなんt」

左右田「早く食え」ずぼっ

狛枝「んふぉおおおおおおおおあっちゃああああああああっ!」びっくんびっくん

左右田「カンフー?」

狛枝「ふぁああっ! ふはっ、あふいっ! あふぃいいいいいいいいいっ!」涎だらだら

左右田「いつもより涎の量多いな」

狛枝「あふあふっ……んぐっ……いつもの涎は溢れんばかりの希望に興奮して出るだけのやつだからね!? 熱いもの食べた時に出る緊急時の涎なんかと比べたら少ないのは当然だからね!?」ぜぇぜぇ

左右田「ふーふーしたのに熱かったのか」

狛枝「中がね、蛸焼きの中がね、すっごい熱いの」

左右田「……」ぱくっ

狛枝「え?」

左右田「……」もぐもぐ

狛枝「そ、左右田君!? 駄目だよ、口の粘膜がやられちゃうよ!? 吐き出した方が良いよ! 例えば僕の口の中に……あっ」

左右田「……」だらだら

狛枝「今のは冗談で……って、うわあぁっ涎が! 言わんこっちゃない!」ふきふき

左右田「……」ごっくん

狛枝「だ、大丈夫?」ごそごそ

左右田「大丈夫。ところで俺の涎を拭いたそのハンカチ、何でチャック付きの袋に入れてんの? 汚物入れ? 弁償するぜ?」

狛枝「いや、寧ろ綺麗になったから心配しなくて良いよ! 別に冷凍保存するとかもぐもぐするとかそんなことしないから!」

左右田「……」

狛枝「あ、しまっ……いや、冗談だから……ねっ?」汗だらだら

左右田「……」

狛枝「あの、本当……冗談で……」汗だらだら

左右田「かき氷って何処で売ってたっけ」

狛枝「あ、スルーしちゃうんだ……いや、有り難いけど……」

左右田「かき氷」

狛枝「えっと、確か入ってきたところにあったような」

左右田「遠いな」

狛枝「んー……かき氷なんてメジャーな食べ物が一店限りな訳ないし、先に進めばあるんじゃないかな?」

左右田「じゃあ進むか」すたすた

狛枝「うん」すたすた

左右田「!」

狛枝「どうしたの?」

左右田「籤」

狛枝「あぁ、あれって当たり入ってないって聞くよね」

左右田「狛枝、やってみる?」

狛枝「流石に超高校級の幸運でも、当たりが入ってない籤で当たりは引けないよ……確率0%なんだもの……」

左右田「お前ならいけるって。さっきから散々な目に遭ってきたじゃねぇか。不運の後には幸運が来るお前ならいける」

狛枝「散々な目に遭わせてきたのは左右田君だよね? あれ? やっぱり態とだったの? それはそれで興奮するというか……////」

左右田「はよ」

狛枝「あっはい。おじさん、籤一回」

おじさん「はいよ」

左右田「……」かちっ

狛枝「えっと……」がさごそ

狛枝「……」すっ

狛枝「あはっ、やっぱりハz」

左右田「当たりか」

狛枝「え?」

おじさん「えっ!? そんな馬鹿な、当たりは入ってない筈d……あっ」

左右田「……」かちっ

左右田「……」かちかちっ

■<えっ!? そんな馬鹿な、当たりは入ってない筈d……あっ

狛枝「え、ボイスレコーダ!?」

おじさん「はぁっ!?」

左右田「これって詐欺罪だよな?」

おじさん「ち、違いますよぉ……ほら、当たり出たんでしょ……?」

狛枝「いや……ハズレなんだけど……」すっ

おじさん「なっ!? だ、騙したな糞餓鬼!」

左右田「騙したのはどっちだ?」ぎろっ

おじさん「ひぃっ! この糞餓鬼、顔めっちゃ怖い!」がくぶる

左右田「110」ぴっぴっぴ

おじさん「ああああああああっ! やめっ、お願いします! 通報は御勘弁を!」

左右田「俺、糞餓鬼だから」

おじさん「いや、すみません坊ちゃん!」

左右田「俺は九頭龍じゃねぇ」

おじさん「九頭龍って誰!? あっいや……本当勘弁してくださいよ、えっと……お兄さん……?」

左右田「俺はお前の兄じゃねぇ」

おじさん「何て呼んだら良いのこの子……」

左右田「左右田様と呼べ」

おじさん「左右田……? えっ……まさかあの、あの左右田家の息子……!?」がくぶる

狛枝「左右田君、君の家ってなんなの?」

左右田「普通の自転車屋」

狛枝「絶対嘘だ」

おじさん「……」がくぶる

左右田「……」

おじさん「……」がくぶる

左右田「……通報されたくないなら、解るよな?」

おじさん「 」びくっ

左右田「……」

おじさん「……あっ、君、当たりだね!」

狛枝「え? いや、だからこれはハズr」

おじさん「当たりだよ! 紛うこと無き当たりだよ! だからほら、好きなの持って行って!」

狛枝「え? でも」

左右田「狛枝、当たり引いたんだから遠慮することないんだぜ――なぁ? おっさん」

おじさん「はい、好きなもの持って行ってくださいお願いします」がくぶる

狛枝「あっはい」




――――




左右田「大量大量」どっちゃり

狛枝「根刮ぎ持って帰るなんて鬼畜過ぎるよ……」

左右田「良いんだよ、相手は詐欺師なんだから」

狛枝「……左右田君、豚神君には絶対同じようなことしちゃ駄目だよ」

左右田「判ってるって。彼奴は良い詐欺師だし」

狛枝「それなら良いけど」

左右田「あ、かき氷」

狛枝「こんな大荷物でまだ回る気なの!?」

左右田「……」

狛枝「……あ……ごめn」

左右田「じゃあ帰るか」

狛枝「んなさ……あっ、珍しく僕の言うこと聞いてくれたんだね……」

左右田「いつも聞いてるぜ」

狛枝「それって聞いてはいるけど敢えてスルーしてるってことだよね? ね?」

左右田「入り口辺りにあったかき氷だけでも買って帰るぞ」

狛枝「やっぱりスルー……いや、この放置プレイ擬きもなかなか……////」はぁはぁ

左右田「……」

ひゅー……どーん
どどどーん……

左右田「……」

狛枝「はぁはぁ……//// あっ、綺麗だね花火!」

左右田「あの綿菓子、お前の髪の毛みたいだな」

狛枝「何処見てるの!? 上を見ようよ上を! ほら、花火が!」

左右田「涙が零れないようにする時しか上を向きたくない」

狛枝「坂本九!? いや、そんな限定的な条件の時以外でも上を向こうよ。せっかくの花火なんだから」

左右田「……」

狛枝「ねっ」

左右田「……」

どーん……どどどーん……

左右田「……綺麗だな」

狛枝「うんっ」にこっ

左右田「……」

狛枝「♪」にこにこ

左右田「お前、そうやって普通にしてる方が良いと思うぜ」

狛枝「……え?」

左右田「自虐なんてせずに、そうやって笑ってる方が――俺は好きだ」

狛枝「……」

左右田「……」

狛枝「……」

左右田「……」

狛枝「……あ、ごめん……何か、あの……照れ……うわぁああっ……////」もじもじ

左右田「……」

狛枝(はっ……もしかしていつもの上げて落とすパターン? 嘘だよって言われるパターン? そういうプレイ?)

左右田「……」

狛枝「……」どきどき

左右田「……もう少し花火見てから帰るか」

狛枝「え、あ、うん……」

狛枝「あれ?」



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