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成宮

※ちょっとえろい






私の恋人は自分勝手でワガママだ。
付き合って3年、同棲を始めて半年が経とうとしている。
特殊な仕事をしてるから帰りが遅いことは多い。
今日は祝勝会って言ってたから無難なつまみだけ冷蔵庫に入れて私はダブルサイズのベッドに入った。
早く寝て万全の状態で臨みたい。
それなのに、レム睡眠に入ろうとした私の意識を奪ったのはアルコールで上機嫌になった恋人様。


「鳴…ダメ、明日朝早いの…」
「…あっそ。」
「ちょっと…」


諭しても聞く耳を持たない。
全体的に胸を包んでいた手がその中心一点を攻め始めた。すっかりその気らしい。
でも、ダメだ。鳴のことはもちろん好きだけどそれとこれとは話が別。
同棲はしていても私には私の生活があるんだから。
こうなったら無反応を決め込んでやる。反応がなければつまんないって思って止めるでしょ。


「……」
「ふーん?我慢してんの?」


無心。
今まで何度もそういうことをしてきた。我慢しようと思えばできるはずだ。
今の私は性欲より睡眠欲。私が無視を決め込んだことに気付くと、鳴の苛立ちを含んだ声が聞こえた。
あれ、逆効果だったかな?


「ぜってー泣かす。」


低い声で物騒なことを言ってるけど無視。
そもそも、寝てる人を何の悪びれもなく起こさないでよね。


「っ…」


胸を弄る手はそのままに、耳に生暖かい感触。
次は私が弱い首にくる…そう思って布団をかぶるがすぐに剥ぎ取られた。


「寝てていーよ。勝手にやるから。」
「……」


拗ねてる。完璧拗ねてる。
細目で見てみたら案の定口を尖らせていた。もう、本当わかりやすいんだから。


「ねえ鳴、ほんとに今日はダメ。」
「何で。生理じゃねーじゃん。」
「明日は大事な会議があるの。お世話になった先輩と進めてきた企画の発表があるから、失敗したくないの。」
「…仕事と俺どっちが大事なわけ?」
「じゃあ鳴は野球と私どっちが大事なの?」
「そんなん比べるもんじゃねーし!」
「私も一緒。」
「っ…」


言い返せなくなったのか、鳴は押し黙った。
「仕事と私」、なんてどこぞの安いドラマの台詞が鳴から出てくるなんて思わなかった。


「てか!名前は俺が養うから働く必要とかねーし!」
「別にお金のためにやってるわけじゃない。鳴だってそうでしょ?」
「…そーだけど!」


女としてはとても嬉しいことをさらって言ってくれてるんだけど、そこはぐっと我慢してスルーする。
鳴の隣に立つからには、私もそれなりに人として成長していきたい。それは同棲を始める時に宣言している。


「…今日逃したら遠征行くからしばらくできねーじゃん。」
「……」
「…なに。」
「そういう計算してるんだ…」
「そりゃするだろフツー!」


何をそんなにムキになってるかと思ったら、そういうこと…。
確かに鳴は明日から九州に遠征。1週間くらい会えないのかな。


「ふふっ」
「笑うな!!」


なんだか鳴がそんなちまちました計算してると思ったら急に可愛く見えてきた。本人もちょっと恥ずかしそうだ。


「じゃあ…しよっか。」
「!」


鳴が素直になってくれたから、たまには私も素直にならなきゃね。


「…俺名前には敵わねーや。」
「こっちの台詞だよ。」






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