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「#エロ」のBL小説を読む
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20

夏休みが終わって学校が始まった。
俺と名字さんは相変わらずだ。


「…最近色んな子来るじゃん。」


9月になってからやけに名字さんを訪ねる女子が多くなった。元々休み時間は一人で過ごすことが多かった名字さんだからその変化はわかりやすかった。


「先輩へのプレゼントにアルバム作ってるの。」
「え、先輩まだ引退してないの?」
「うん。9月の演奏会で引退。」
「へー。」


コンクールで引退じゃないんだ。吹奏楽って俺が思ってた以上に大変な部活だったんだな。


「…見に行きたいな。」
「…多分野球部、練習休みになると思うよ。」
「え、そうなの?」
「毎年応援のお礼として友情出演してもらってるから。」
「へー!」


全然知らなかった。去年も休みだったのかな?行った記憶がないから多分自主練してたんだろうな。


「あ、そうだ。成宮くん雅さんの写真持ってない?」
「は!?何で雅さん!?」


何で名字さんが雅さんの写真欲しがるの!?意味わかんない!そんなの持っててもあげないし!雅さんじゃなくて俺の写真欲しがってよ!


「菜月先輩のアルバムに入れたくて。」
「…誰?」
「フルートの……雅さんの彼女。」
「…あー!あの美人の先輩か!」


そういえばあの2人付き合ってるって言ってたな。未だに信じられないけど。
……じゃあ雅さんの写真が欲しいのは美人の先輩へのアルバムに入れたいからだったのか。


「…マネージャーに聞いてみる。」
「ありがとう、助かる。」


他でもない名字さんからのお願いだから聞いてあげたい。
名字さんに「ありがとう」って笑顔を向けられるとすごく嬉しい。






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