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06


『じゃー明日3時に駅前な。』
「う、うん!」


どうしよう……明日、朋也と2人で買い物に行くことになりました。












2人で買い物って言っても、そんな、デートとか…そういう雰囲気じゃないから!断じて!
昨日たまたま電話してて、合宿の準備しなきゃなーとか話してたら朋也が「俺もー」とか言って「じゃー明日ヒマなら買い物行くかー」っていうことになって……
ああああ何この展開!朋也も、何フツーに自然な流れで誘ってんの!?自覚あんの!?いやどうせないだろうな。
今日は私も朋也も講義が早く終わる日だったから、部活が始まる4時半まで一緒に買い物することになった。
だから、そんな深い意味はないんだから…!


「ワリー、待たせた?」
「ちょっとだけね。」


普通ならここで「ううん、今来たとこ。」とか返すんだろうけど、変に力が入ってるせいか私の口からは可愛くない返事が出てしまう。


「じゃーアイス奢る。部活前に食おーぜ。」
「やったー!」


…でも、こっちの方が私たちらしい感じがするんだよね。


「ね、そういえばさ、何で朋也は髪伸ばしてんの?」
「あー…うん、まあ…ケジメみたいなもん?」
「ケジメ?いつ切るの?」
「んー…いつになるかなー…」
「………」


ずっと気になってたことを聞いてみたけど、この様子だと言いたくないのかな。


「まーお洒落で伸ばしてるんじゃないならいーや。」
「はあ?何だよそれ。」


これ以上問い詰めてもどーせ教えてくれないってのはなんとなくわかる。
私もしつこく聞いて朋也を困らせたくないし、この話はここで終わり。


「アイス何にしようかなー。ハーゲンダッツでもいい?」
「ダメに決まってんだろ。200円以内な。」
「ケチ。」













「んーっ…この味久しぶり!」


買い物はお互いに服とか歯ブラシとかを買って普通に終わった。
そしてそろそろ部活の時間なので狭山高校に。私はベンチに座ってさっきコンビニで買ってもらったアイスを頬張る。
まあさすがにハーゲンダッツをねだることはせず、無難にイチゴ味の棒アイスを買ってもらった。
そういえば初アイスかも。まだ4月だけど今日は暖かいし、アイスがすごくおいしく感じる。
これから毎日暑い日が続くようになるのかー…そしたら毎日アイス奢ってくれないかなあ…。


「食べるのおせーなァ。」
「ほんあころないよ。」
「部員来る前に食べろよー。見つかるとあいつらまでたかってきそうだ。」
「たかるなんて人聞きが悪い。」


朋也も私と同じような棒アイスを買ってたけどとっくに食べ終わってしまっていた。
多分5分もかかってないと思う。もー、少しは味わって食べてほしいもんだ。


「あー!名前さんアイス食べてる!」
「あ、見つかっちゃった。」


そして言ってるそばから部員に見つかってしまった。
朋也はあちゃーって顔してるけど部活前だし、悪いことしてるわけじゃないもん。


「それ何味っスか?」
「イチゴー。いいだろー。」
「あー腹減ってきた…」
「一口食べる?」
「えっ?」
「ばッ……お前ら早く着替えてこい!」
「「「っス!」」」


あれ。せっかくあげようとしたのに朋也に言われてみんな部室に行っちゃった。
ちょっと舌がヒリヒリしてたから休憩はさみたかったのに。


「…お前も無神経なことすんなよな…」
「はあ?悪口?」
「ちげーよバーカ。」
「うわーそれ悪口なんだよ、朋也。」
「名前も部活始まる前に着替えろよ。」
「あと何分?」
「10分。」
「うそ!?」
「じゃー俺着替えてくるから。」
「ちょ、待っ…!一口食べてみない朋也!?」
「!」














−その頃の部室トーク−


和「なあなあ、さっきの監督の反応どう思う?」
矢「さっきのって?」
和「名前さんがヤノジュンにアイスあげようとしたらすげー怒鳴ったじゃん。」
公「ヤノジュン名前さんからアイスもらったの!?ズルっ!」
矢「ああ…ただ単にダラダラしてたから怒られたんじゃねーの?」
和「ちげーよ、アレは絶対関節キスを阻止したかったんだよ!」
公「関節キスしたの!?」
矢「してねーようっぜーなァ。」
謙「おい、しかもその後監督、名前さんのアイス食べてたぜ!」
 「「「マジで!?」」」
宮「つか今日、監督も名前さんも私服だったな…。」
公「マジで!?スカート!?」
矢「お前黙れ。」
和「確かに……もしかしてデート…!?」
公「え!?でも付き合ってねーんだろ!?」
和「ちゃんと確認してないからなァ…。誰か聞いてみろよ。」
哲「誠が聞けよー主将だろ?」
和「まあ…タイミング見計らって聞いてみるわ。」







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