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「#エロ」のBL小説を読む
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05

「ちわ!」
「あ、名前さんだ。ちわ!」
「こんにちはー。」


美丞のマネージャーをやることになって早1週間が過ぎて、回数的には今日が4回目。
朋也が言ったとおり部員のみんなは元気で話しやすくて、大分打ち解けてくれたんじゃないかなと勝手に思っている。
今日は初めての土曜日練習。9時集合って聞いてたから10分前くらいに来たんだけど……みんなは既に集まっていてグラ整とかしていた。部活少年ってすごい。
一方で私は最近1限の授業もないからすっかり遅起きの習慣がついてしまっていて、今日も起きるまでにかなり時間がかかった。
さて、やるべきことはやらなきゃね。



















「ワダくんワダくん。とも……監督は?」
「監督は今日午後からっス。」
「そーなんだ。ありがとう。」


ワダくんは言わずも知れた、美丞大狭山高校野球部の主将だ。坊主頭に眼鏡というスタイルで、とても礼儀正しい。部員のみんなはもちろん朋也とも仲が良いみたいで、なるほど主将になるのも納得って感じ。


「名前さん寝ぐせついてるよー。」
「えっ、ウソ!?」
「ホントーほら、ここ。」
「あ、ありがとー。」


私の寝ぐせを指摘してくれたのはコウくん。もともと人懐っこい性格なのか、最初からフレンドリーに話しかけてくれた。


「おい公、お前馴れ馴れしい。」
「なんだよヤノジュン、ヤキモチ?」
「ばっ、ちげー!」


ヤノジュンはこの前発覚したんだけど、なんと弟の友達だった。中学の時はヤンチャなイメージがあったけど今は随分しっかりしてるみたい。少しでも知り合いがいたことに結構安心した。


「あれ、ユウくんどうしたの?」
「あ……マメ潰れちゃって……」
「本当?もー言ってよー、私やるから!」
「あ、いや、自分で……」
「いいなー優ー名前さんに手当てしてもらえてー」
「なっ……」
「わざと潰したんじゃねーだろーなァ?」
「違いますよ!」


ユウくん、ヨシくん、タクくんはピッチャー三人組。朋也自身がピッチャーだったせいか、この三人の指導は特に熱心にしている。
実際朋也がここの監督になってまだ二年でしょ?それでピッチャーを三人も使えるようにするのって結構大変なことじゃないのかな。


「おいテメーら、監督がいないからって気ィ抜いてんじゃねーだろーな?」
「「「!!」」」


部員に囲まれてまったりしてると、後ろから威圧感。呂佳様である。部員のみんなは顔を真っ青にして練習に戻ってしまった。


「お前も。うちの部員をたぶらかすんじゃねーよ。」
「何それ人聞き悪いなあ。」
「こいつら男子校だから女に飢えてんだよ。」
「何それ女なら何でもいいみたい。」
「その通りだ。」
「失礼な!」
























「整列!」
「「「はい!」」」


ワダくんの掛け声で50人の部員が集まった。相変わらずこの前に立つのはまだちょっと緊張する。


「監督、お願いします。」
「おー。」


そして、監督朋也のありがたいお話。
こうしてると朋也もなかなかの貫禄があるんだよねー。普段の感じからは想像つかなかったけど。ちょっとかっこいい……なんて、ちょっとだけね。


「そんで、GWの合宿だけどな……」


……ん?GWの合宿?
















「あれ、言ってなかった?」
「聞いてない!」


そう。GWに合宿をやるだなんて聞いていない。もう四月も半ばだけど、聞いてない。


「あー……ワリ。来れる?」
「……いつ?」
「2日から5日。来れる日だけでいいよ。」
「んー……じゃあ4,5行く。」


残念ながら私もバイトとかレポートあるし、全部参加するのは無理だ。幸いまだバイトのシフトは入れてなかったから、2,3と4の午前に入れて、夕方には着くようにしよ。


「本当ありがとな、名前。」
「へっ……な、何急に。」
「いや……俺、中学ン時から名前に世話になってばっかだなーって思って。」
「そんなこと……あるか。」
「否定しないのかよ!」
「あははっ!」















−ある日の部室トーク−


公「俺、名前さんめっちゃタイプなんだけど。」
矢「なんだよお前急に……」
公「だって可愛くね!?」
矢「まあ可愛いけど……」
和「美人だよなー。」
宮「いい人だし。」
哲「名前さん来てから明らかに俺ら気合い入ったもんな。」
矢「それは否定できない。」
公「そういうんじゃなくて!俺本気で名前さんと付き合いたい!」
宮「……何言ってんのこいつ。」
哲「バーカ、大学生だぞ?相手にされないって。」
公「そんなのわかんねーだろ。実際に歳だって2つしか変わんねーんだぜ?アリだろアリ!」
哲「まあそう考えると…」
善(アリ……なのか……?)
公「だろ!?俺はアピールする!」
匠「確かに可愛いとは思うけど本気でいく勇気はないわ俺。」
善「つか、そもそも彼氏いないの?」
匠「いるだろー。大学なんて出会いで溢れてんだろ?」
公「いや、案外そうでもないらしい。うちの姉ちゃん嘆いてたもん。」
哲「でも名前さんくらい可愛けりゃいるんじゃねー?」
和「ヤノジュンお前知らねーの?」
矢「知らねーよ。」
公「ちっ。弟の友達っつー魅力的なポジションを持っていながら……!」
矢「つーかさ、監督とはどうなんだろ?」
 「「「……」」」
和「俺もちょっとそれ気になってた!」
公「え!?中学の同級生なんだろ?」
和「本当にそれだけでマネージャーなんて引き受けてくれるか?フツー。」
宮「仲は良さそうだよな。」
和「おー、だってお互いに名前呼びだし。」
公「そうなの!?」
和「この前聞いた。」
匠「監督って下の名前何だっけ?」
和「朋也だよ。」
善「名前さんと監督……」
哲「なんか……俺変な想像しちゃった……」
匠「俺も……」
宮「監督だけじゃなくてさ、コーチとも仲良いよな。」
謙「ああ!コーチのことも名前で呼んでた!」
匠「まじで!?すげー!」
善「コーチ女子と話さなそうなのにな。」
公「え?何?つまり名前さんは誰と付き合ってるわけ?俺に見込みはあるわけ?」
和「絶対監督だって!付き合ってなくても好きと見た!」
矢「名前さんが監督を?」
和「そう!中学の時からずっと!」
匠「そりゃねーだろー。それなら中学の時付き合ってて久し振りに再会したら……って感じの方が現実的じゃねー?」
哲「監督は名前さんのことどう思ってんのかな!?」
和「両想いだったらすごく面白くねえ?」
謙「そしたらさ、俺達でくっつけてあげたいよな!」
和「それいいなー!」
宮「ちょ、待てよコーチの可能性は?」
哲「まさかの三角関係!?」
宮「いや別にそれに限らず……」
匠「やべっ、ちょー楽しくなってきた!」
公「ちょ、俺の応援は!?」
 「「「勝手に頑張れば。」」」







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