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02

「名前……」
「どーしたの?朋也。」
「俺、お前のことが……」
















「!?」


吃驚した……心臓がバクバクしてる。身体によくない目覚め方をしてしまった。朋也が夢の中に出てくるなんて、昨日呂佳と話したせいだ。
時計を見たら丁度12時くらいだった。今日は平日だけど大学は4限の一コマだけ。のんびりご飯食べて支度しよう。一コマだけだし、化粧は適当にしてメガネで誤魔化そうかな。


「あー……」


それにしても、4年経って今更あんな夢見るなんてどうかしてる。私が告白するならまだしも朋也からなんて……都合が良すぎる。
夢の中の朋也は中学の時の恰好だった。今はどんな感じになってるんだろう。髪は染めてるかな?背は……呂佳と並ぶと小さく見えたけど少しは伸びたのかな?


ブー ブー


あ、携帯のバイブが鳴ってる。今着替えてるから後でいっか。


ブー ブー


あれ、鳴り止まない。となると電話か。いったい誰から……


「……!?」


私はディスプレイに映った名前を見て固まった。ジーパンをはいて、上は下着姿のまま固まった。だって、『滝井朋也』って……え、ちょ、何これまだ夢!?どうすればいいのこれ!
そうこうしてるうちに電話が鳴り止んでしまうかもしれない。あと3回鳴って切れなかったら出よう。


ブー ブー ブー…


「も、もしもし……」
『あ、名前?』
「うん。」


出た。受話器の向こうから聞こえたのは朋也の声。中学の時よりもちょっと低くなってたけど確かに朋也の声だった。


『番号変わってなくてよかった。今忙しい?』
「大丈夫だよ。どうしたの?」


今私は全神経を使って心臓を落ち着かせている。受話器の向こうの朋也に緊張が伝わらないように、精一杯見栄を張っている。


『んーと……今日ヒマ?』
「授業が終われば、まあ。」
『何時?』
「17時くらい。」
『じゃあさ、晩飯ついでに会えない?』
「え……」
『ちょっと話したいことがあるんだ。』
「い、いいよ。どこにする?」
『んー……じゃあトルファン。6時でいい?』
「うん、わかった。」
『悪いな、急に。じゃ!』
「うん。」


……何この展開。嘘、どうしよう、今の本当に朋也だった?私声震えてなかった?大丈夫だった?ていうか何これ夢?
頭がグチャグチャになってきた私は携帯電話と一緒にベッドに倒れこんだ。……夢じゃ、ない。4年ぶりに朋也に会うんだ。


「……」


とりあえずジーパンはやめてショーパンにして、化粧もちゃんとしていこう。
















−昨日の夜−


「わりーな、急に呼んじまって。」
「別に。新入部員のことだろ?」
「ああ。飯島ってヤツがいい肩しててさ。来月の合宿でちょっと見といてくんねーかな?」
「おー。ポジションは?」
「外野。」
「つか今年何人だっけ?」
「18人。まーよく入ってくれた方だと思うよ。」
「ふーん。」
「でもマネージャーが入んなくてよー。今2人だろ?で、夏終わったら1人。ちょっとキツいんだよなぁ……。」
「雑用なら1年にやらせりゃいいだろ。」
「まあそーだけど……いるに越したことはねーだろ。」
「……そーいえばよ。」
「ん?」
「さっき名前に会った。」
「……は!?」
「んで、飯食ってきた。」
「ちょ、ちょっと待て、ついていけねェ。」
「だから名前に会って飯食ってたんだよ。」
「え……何、お前らつまりそういう……」
「ちげェ。そんで、あいつ今身体学やってんだとよ。」
「!」
「……整体師目指してんだって。」
「……そっか。」
「何でも幼馴染と弟も野球で肩やっちまったみたいで。だから断じてお前のためじゃない。」
「う、うっせェなわかってるよそんくらい!」
「期待したんじゃねーの?」
「してねーっつの!……名前、元気だったか?」
「おー。変わんねーよ、アイツは。」
「……マネージャーやってくんねーかな……」
「……」
「なあ呂佳、お前頼んで…」
「ヤダ。自分で頼めよ。」
「何でだよ昨日会ったんだろ!?」
「うるせーとにかく嫌だ。」
「〜〜わかったよ俺から頼む。」
「……」









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