銀魂 | ナノ
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06:やばいと思ったらすぐ逃げろ


「本当に大丈夫か…?」
「大丈夫だよ。じゃ、行ってくる。」
「…気ィつけろよ。」
「あんたらもね。」









たっぷりの休暇明け。名前に久々の仕事が言い渡された。
仕事の内容は、最近若者の間で危ない薬が出回っているとの事。その元を探れというものだ。
土方達には他の仕事が入ってるし、あまり大人数で行ったら怪しまれるので名前1人で行くことに。
名前は適当に若者が集まりそうなところを探して、とあるディスコに向かった。


「……あれ?銀さん?」
「あー…名前?」


中に入ると、そこには見慣れた人物が。銀時だ。新八と神楽もいる。
実は銀時も依頼でここに来ているのだ。


「へぇ。銀さんがこんなところに来るなんて意外ね。」
「馬鹿野郎。誰が好き好んでこんなうるせーとこ来るかよ。アレだよ、仕事だよ。」
「…そう。」
「ワリーけど二日酔いで調子ワリーんだよ。適当にやっといて新ちゃん。」
「ちょっ、銀さん!!」


そう言って銀時はフラフラとどっかに行ってしまった。
それを新八が阻止しようとするが、立ち上がると誰かにぶつかってしまった。


「あ、スンマセン。」
「…小僧、どこに目ェつけて歩いてんだ。」


そのぶつかった人はなんともおかたく怖そうな人だった。
帯刀をしているということは幕府の関係者なのか。名前は目を細めた。
男は新八に手を伸ばした。


「肩にゴミなんぞ乗せてよく恥ずかしげもなく歩けるな。少しは身だしなみに気を配りやがれ…。」


何かされる…と思ったら拍子抜け。
男は新八の肩についていたチリに近いゴミをわざわざとってくれ、フッと払ってからまた歩き出した。


「新八〜!もうめんどくさいからこれでごまかすことにしたヨ。」
「どいつもこいつも仕事をなんだと思ってんだチクショー!」


そこにハム子(仮)捜索をしていた神楽がラカン頭のいかにもハムっぽい人をつれてきた。
万事屋の仕事は人探しのようだ。


「大体これでごまかせるわけないだろ。ハム子じゃなくてハム男じゃねーか!」
「ハムなんかどれ食ったって同じじゃねーかクソが。」
「何?反抗期!?」


ドサ


「!」


新八と神楽が言い合っていると、神楽がつれてきたハム男(仮)が倒れた。


「ハム男ォォォォ!!」
「オイぃぃ、駄キャラが無駄にシーン使うんじゃねーよ!!」
「ハム男、あんなに飲むからヨ。」


慌てて新八と神楽、名前もハム男(仮)に近寄った。
うつ伏せになったのを起こしてみると、ハム男は鼻水をたらし、口から泡を吹きながらもエヘヘと笑っていて、焦点は合っていない。


「(こいつ……)」


それを見て名前はおそらくハム男(仮)は薬をやったのだと思った。


「あー、もういいからいいから。あと俺やるからお客さんはあっちいってて。…ったく、しょーがねーな。どいつもこいつもシャブシャブシャブシャブ。」
「シャブ?」
「この辺でなァ、最近新種の麻薬が出回ってんの。なんか相当ヤバイやつらしーからお客さんたちも気をつけなよ!」


駆けつけた受付の天人の話を聞いて、名前は黒だと確信した。
といってもまだ迂闊には動けないので、とりあえずは新八と神楽と一緒にソファーに座ってもう少し様子見をする事にした。


「遅いな、銀さん。」
「小じゃなくて大なのよ。それか下痢なのかも。」
「もうちょっと恥じらいを持ちましょうよ!!」


名前の辞書に『伏字』という文字は存在しないらしい。


「どうも嫌なカンジがするんだこの店…。早く出た方がいいよ。」
「私捜してくるヨ。」


捜してくるって…男子便まで捜しに行くのか……。
そう言って神楽が立ち上がった時、神楽の頬に銃口が突きつけられた。
周りを見てみるといかにもガラの悪そうな人達がズラリと並んでいた。


「てめーらか。コソコソ嗅ぎまわってる奴らってのは。」
「チッ…」
「なっ…なんだアンタら!」
「とぼけてんじゃねーよ。最近ずーっと俺達のこと嗅ぎ回ってたんじゃねーか。ん?」
「そんなに知りたきゃ教えてやるよ。宇宙海賊“春雨”の恐ろしさをな!」


すると名前の3人の背後にそれぞれ何者かがまわった。
名前はそれにすばやく反応して、ハサミを取り出し相手に突きつけたが、もう1人の男によって口を布でふさがれた。
その布からは嗅ぎなれない変な臭い。恐らく、これが最近出回っているヤバイ薬だろう。


「ん……ッ!!」


名前は必死に抵抗するが、次第に力が入らなくなり、ソファーに崩れてしまった。
新八と神楽も同様にうつろな目をしてソファーに倒れこんだ。










一方トイレに行った銀時はというと、そこでハム子と遭遇したのだが
そこで陀落という男にも遭遇して何やら面倒臭そうな事に巻き込まれていた。


「オイオイ、みんなで仲良く連れションですか…。便器足んねーよ…。」


ハム子を抱えてトイレから出るとそこにはたくさんのガラの悪そうな天人達がズラーリ。


「オラッ、ちゃちゃっと歩かんかイ!!」
「!?」


するとその奥から声が聞こえてきて、その方を向くと神楽と新八と名前がこいつらの仲間だと思われる奴らに連行されていた。
3人ともうつろな目をいていて新八はふらふら。名前に至っては気を失っていて担がれている。


「新八!!神楽!!…名前まで!!何…オイどーしたんだ!?」


銀時が大声で話しかけたが、誰も反応はしない。


「てめーらァァ!!何しやがった!!」
「お前目障りだよ…」
「!」


ガゴ


叫ぶ銀時に向かって陀落が剣をたてて襲い掛かってきた。
剣は銀時の左肩に刺さり、銀時はハム子ごと窓を破って下に落ちてしまった。
幸いにも下はゴミの山で死にはしなかった。
そこに調度よく桂の仲間が居合わせたおかげで銀時とハム子は桂の家に保護されたのだった。
名前達は、宇宙海賊“春雨”の船の中。





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