銀魂 | ナノ
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05:私有地破壊は立派な犯罪


「じゃあ私ちょっと買い物行ってくるから。サボらないでよ銀さん。」
「大丈夫さァ。こいつはワシがしっかり面倒見といてやるよ、名字嬢。」
「ありがとう。」
「いってらっさーい。」









今日は非番ではないのにも関わらず屋根の修理を銀時にまかせ、名前は買い物に出かけた。
残された銀時はサボろうにも見張りがいるためサボる事ができず、だらだらと屋根の修理をする事にした。


そして事件は起きたのだ。










名前が両手に荷物を抱えて戻ってきた時。
とある屋根の上に沖田と近藤がいるのを見つけた。


「沖田に近藤さん、どうしたの?」
「お、名前。」
「決闘でさァ。」
「決闘?」
「ほら、あそこ。」


沖田が指さしたところを見ると、屋根の上で2人の男が刀を交えていた。
その男は…土方と銀時。


「………ん?」


銀時…ということはつまり、名前の家の屋根の上で2人は決闘しているのだ。
土方が剣を思いっきり振り下ろして屋根を破壊した。


「……沖田…ちょっと持ってて…」
「? へぃ。」


無表情だが、明らかに怒っている…。
銀時が剣を抜き、土方が剣を振り下ろそうとした時、名前は荷物を沖田に任せて自分の家の屋根に飛び移った。
そして空中でハサミを抜き、着地と同時にハサミで銀時の刀をおさえた。


「! 名前?」
「……」


いきなり現れた名前に2人は吃驚。


「……アンタら人んち屋根の上で何しくさってくれてんのよ、え?」
「あ゛……」
「こ、ここお前んちだったのか…?」
「ええそうよ。で、どっちが先に仕掛けたの?」


にっこり笑って、だけど黒いオーラを出して、名前は2人に尋ねた。


「多串くんです。」


その質問には銀時が正直に土方を指さして答えた。
名前の笑顔は土方に向けられた。その瞬間土方の肩がピクリと動いた。


「そこの瞳孔開ききってるキミ。」
「………」
「どう落とし前つけるつもりですか?」
「……酒1日飲み放題…」
「ダメ。」
「…プラスつまみ…」
「…ダメ。」
「……プラス休暇…」
「よしOK。」


流石は土方。名前の扱いには結構慣れてる方のようだ。そんな土方に銀時は少し感心。心の中で今後の参考にしようと考えていた。


「さて……じゃ、それ今日中に直しといてね。2人で。」
「「はあ!?」」
「不服?」
「「いえ、滅相もありません。」」
「よろしく。私は向こうの店で近藤さんと沖田と飲みまくるから。もちろん土方のツケで。」
「………」


そう言って名前は、近藤と沖田をつれて向の店に入っていってしまった。


「大串君、君も大変ね。」
「まあな…。」


向かいで宴会の楽しげな声が聞こえる中、銀時と土方は地道に屋根を修理し続けた。






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