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他をあたってください

私はいつも目が覚めたら、まず両手を思いっきり上に伸ばして深呼吸をする。
それはもう反射的に行うことなんだけど…何故だろう、腕が上がらない。そしてこの金属がガチャガチャいう音はどういうこと?


「よォ、目ェ覚めたかィ。」
「……」


目の前に真選組のドS代表、沖田さんが見えるんですけど幻覚ですよねこれ。
だってありえないもん。昨日は確か退くんと久しぶりに飲むことになって調子乗って飲んでたら意識がなくなって…
あれ、おかしいな。家に帰った記憶がないんだけど…あれ?


「あの、ここどこですか?」
「さあねィ。地下室ってことだけは教えてやらァ。」
「…なるほど、とりあえずこれを外してください。」


地下室・沖田さん…たったこれだけのキーワードでもう嫌な感じしかしない。
私がしなきゃいけないことはただ一つ…一刻も早くここから脱出することだ。
じゃなきゃ何されるか…わかりたくもない。


「手錠より縄の方がいいってか?俺ァどっちでもいいけどねィ。」
「ここから出してもらえます?私今日神楽ちゃんと食べ放題行くんです。」
「チャイナなんかより俺といた方が楽しいぜ。」
「現在進行形で楽しくないんですが!」
「さー何して遊ぼうかなー」


無視ですかこの野郎!!
ニヤニヤとサディスティックな笑みを浮かべて近づいてくる沖田さん。
手錠で繋がれている私は逃げることなんてできなくて……気付けば沖田さんが私に跨っていた。


「えええええ!?」


相変わらず沖田さんはニヤニヤと私の反応を観察している。
え、ちょ、ま、沖田さんの「遊ぶ」って、そういう…!?


「おおおお落ち着いてください沖田さん!」
「お前が落ち着け。」
「い、いったい今から何をするつもりで…?」
「何って……ここまできてわかんねーのかィ?じゃー更なるヒントでィ。」
「ぎゃあああストップ!ストップ!」


ヒントとか言いながら私のシャツのボタンをプチプチと外していく沖田さん。
ここまでされたら嫌でもわかりますって!
必死に抵抗するも手錠がガチャガチャと音をたてるだけ。
えええもう成す術なしですか!?


「……はっ!沖田さんいいんですか!?私今沖田さんを再起不能にすることだってできるんですよ!」
「………」


私の足は今沖田さんの股の下にある。したがって、その足を思いっきり上げるだけで沖田さんに大ダメージを与えられるはずだ。
ふっふっふ私ってば頭いい!


「名字が俺のナニを蹴ろうがかまわねーが、その後の仕返しからお前は逃げられねーってこともわかってんだろーな。」
「あ……」


そうだよ私手錠されてるから結局逃げられないんだよ!
沖田さんにそんなことしといてタダで済むわけがない…!いい手だと思ったのに…!
私が大人しくなったのを確認して、沖田さんの手が再びボタンを外し始めた。
これから起こるであろうことから逃げられないと思うと涙が出てきた。


「だ、大体何で私なんですかあ…!」
「……俺たちって相性抜群だと思わねーか?」
「ほ、他をあたってください!!」
「ヤだ。俺ァ名字の泣き顔にしか欲情しねーんでさァ。」
「なっ…」
「まあ、つまるところ好きってことでさァ。」
「!!」







■■
前日に飲んでいた山崎はグルです。




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