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04



トントントン…


「……」
「……」


気まず…ッ!!何この空間!何この状態!
私がトントン晩御飯のしたくをしてて、ピンク頭の彼(神威というらしい)は相変わらず笑顔のまま色モネアを見ている。











何これ。
少年はずっと笑顔だけど面白いんだったら声に出してさ、笑おうよ…。面白いじゃん設楽さん…私好きだよ…福山さんほどじゃないけど。
正直テレビの音は料理してる私にも聞こえるから笑っちゃいたいくらい面白いんだけど………笑えないだろーがこの雰囲気はよォ!!
ちくしょーーー私が何をしたっていうんだ。何でこの人を住まわせなきゃいけないんだ。
何が「…ってことでよろしく」だ。まずどういう経緯で「ってこと」になったのかが私にはわかんないんだけどわかりたくもないんだけれども…
だってこの人いきなり「異世界にきたのかも」とか「人身売買やってます」とか言うんだよ!?海賊なんだよ!?
私そんな世界に関わるのは絶対イヤ!!これから大学卒業して栄養士になって福山さんと結婚するという、普通の人生を歩みたいのに!


……さて、そんな本日の晩御飯が完成しました。今日は肉じゃがですーーどんぱふーー。
無難でしょ。私は未だ嘗て肉じゃがが嫌いという人に出会ったことがないから多分少年も大丈夫だ。
でも持っていきにくいなぁ……笑顔で「ブタの飯?」とか言ってひっくり返されたりしないかなぁ……いやいや大丈夫!自分を信じろ!


「どうぞ。」


まずメインの肉じゃがを真ん中に、それからご飯とお箸を少年の分と、私の分を。
それからもう一往復して飲み物(お茶)とコップ。あ、サラダもささっとやってみました。


「おかわり。」


………おかわり早くね?
この一往復の間に一杯完食!?一往復って言ってもほんの20歩とかそこら辺だからね!?
でも少年から差し出されたお茶碗は米一つもついてなくてまあ偉い。そうだね、お茶碗にお米つけて返したらバチが当たるよねってちげーー!!


「やっぱ自分で行くよ。」
「…どーぞ。」


そうだよこんなペースでおかわりされたら私ご飯食べる暇ないよ。
きっと育ち盛りなんだね、少年。このくらいの男の子だったらこんぐらい当たり前だよね。
さあ私の分も食べられないように私も食を進めなければ……


ゴトン


「へ……」


ガツガツ


「ちょおォォオっ…何してんのちょっとやめてーーー!!」
「?」


炊飯器ごと持ってきなさったーーー!!
ちょっといくら育ち盛りって言ってもこれはないでしょ!面倒だから明日の分まで炊いたってのに………そりゃないでしょ!
なんでじゃがいも1個でご飯1杯分いけるの!?
「?」じゃねーよ!そんなことしても可愛いだけだよ!うわ、首傾げてめちゃくちゃ可愛いんだけど…って騙されないからね私は!


「何?」
「ぎゃぁぁあああ!!」


流し込んでるーーーー!!あの、なんかポテチの最後の残りカスを食べるときみたいに…流し込んでるーーー!!
ご飯ってそういうものじゃないよね!?おかゆなら百歩譲って許すけど!ザーって流れ込んでくるものじゃないよね!?


「…もうない?」
「あるわけないでしょーーー!ちょ、これ明日の分どーすんの!?」


あああもうこの人が海賊でも何でも関係ねーよ!イラッとしたからね私!イラッどころかブチッだからね私!


「育ち盛りの男はこんなんじゃ足りないよ。次から10合炊いてね。」
「10合なんて入んないから!大きさよく見て!」
「あはは、ほんと面白いや君。殺していい?」
「いいいけませんごめんなさい調子のりました!!」


やっぱり怖いもんは怖いんじゃ文句あるか!
少年笑顔で平然と言ってるけどね、この子はやると言ったらやる子なんです!出会って間もないけどそこらへんは通じてます!
もういい、ご飯のことはもういい。明日はウチの炊飯器の最大能力発揮してやるよ、10合は無理だけど。


「ごちそうさま。やっぱり地球のご飯はおいしいや。」
「…お粗末さまです。」


おかずとご飯の比率が2:8ぐらいのせいか、肉じゃがはまだちゃんと私の分もある。よかった。
なんか違和感あるけど、やっぱり「おいしい」って言ってもらえると嬉しいな。


「……」
「……」


うん、なんか違和感があるな。


「……」
「……あの……何ですか?」


視線が痛いです神威くん……。ほら、色モネアが終わってメチャいけにしてあげたよ!面白いよ!私好きだよこのノリ!
だからあの、私を見るよりメチャいけを見た方が何倍も面白いと思うんだけど……というか食べにくいことこの上ないんですけど……


「別に。気にしなくていいよ。」


………いや無理だろ。気にするだろ。
これでも私一応乙女だし………まさか顔に何かついてるとか?目ヤニ?鼻くそ?うわ、どーしよう乙女として!
でもこうも見られてちゃ確認できないじゃない!恥ずかしいじゃない!
だめ、もう視線上げることもできない。だって恥ずかしいから!神威くん可愛いけどめちゃイケメンなんだからね!福山さんには負けるけど!


「ねえ、一発ヤらない?」
「………!!?」


はい、思わず噴出しそうになりましたがなんとかこらえました。
そんな食べ物を粗末にしたらバチが当たります。でもそのおかげでちょっと鼻が痛いです。
それもこれも神威くんの爆弾発言のせいだ。
「一発」って何かな?お姉さんちょっと思い当たるものがあるけどまさかそれじゃないよね!
なんか「やる」とかちょっと変換がおかしいような気がしたけど……まさかアレじゃないよね!
どうしよう怖くて聞けねーー。


「…やっぱいいや。」


……おま、ちょ、いい加減にしろよ。





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