銀魂 | ナノ
×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -



03


『先日午後6時、成田空港の一部が爆発、炎上しました。原因は不明――』

「へーー…なんか最近物騒な事件が多いねー。」
「…あ、大島さんアレじゃん、彼氏とデズニーランド行くって言ってたけど大丈夫かな。」
「……大丈夫でしょー。」











今日も1日働いたなあ!よし、コンビニでハーゲンダッツ買ってこよう!
あ、ハーゲンダッツ買うからって別に私リッチじゃないから!ハーゲンダッツは2週間に1個って決めてんの!
それから家に帰って、ドラマ見てー……うーん暇だなー…みおちんに電話しよーかなー…


「………あ。」
「………」


でじゃぶーーーーー!!!
あっ、いやその、デジャブっていうのは前にも見たような光景が再び目の前に広がることで……
なんか目の前にピンク頭のおさげで水玉の傘持ったお方が見えたからね、全力ダッシュで引き返しました。
あれ間違いなく……いやでもそりゃないよ、なくてあってください。
それでもやっぱり怖いから遠回りしてとにかく家へ!私の砦へ!











「ハァ…ハァ……」


まったく……せっかくあれから2週間経って、清水さん宅のコンクリートも直って、あの恐怖の思い出にもフタができたと思ってたのに……
…きっと気のせいだよね!私の脳みそのどこか奥底に眠る恐怖心が幻覚でも作っちゃったんだね!
こういうときはアレだ、ハーゲンダッツ食べながらドラマ見よう!福山さんに会おう!あ、ハーゲンダッツ買ってないんだった。
……しょうがない、買いだめしたカリカリ君にしとこ…


「やっと来た。」
「……」


な……なな…なんかいるよぉおお〜〜〜…?あ、あれ気のせいだよね、気のせいだと言って福山さん愛してる!!
いつぞやの海賊さん?いやまさかそんな、彼はきっと今頃宇宙に繰り出してるはずじゃない。
きっと幻覚だわ。だけど何だろう、彼の口から聞こえるカリカリという音………これはまるでカリカリ君を食べているような……


「私のカリカリ君んんんん!!」
「…これ?安っぽい味だね。俺はハーゲンダッツの方が好きだな。」


じゃ食うなやァァアア!!私もハーゲンダッツの方が好き…いや、絶対私の方がハーゲンダッツを愛してるね!なんて怖いから言えないけどさ!
しかもあれ?おかしいな、私の目が狂ってなかったらゴミ箱の中にカリカリ君のパッケージが山々と………どんだけ食べてんのコイツーーー!
更にドラマ見てるし!私が見たいのそっちじゃないし!福山さん出てる方だし!


「なななな…」


心の中では雄弁だけどそれをうまく口で伝えられないのが私の特徴なのです。
だってこの人あれだよ?素手でコンクリート粉砕すんだよ?怖くね?


「江戸っていうとこまで行ってみたけど全然違ったよ。どういうこと?」


あの、こっちがまず「どういうこと?」なんですけど。
何でウチ覚えてんのこの子。何で鍵かかってたはずなのに私より先にくつろいでんのこの子。


「ねえ、質問に…」
「何でここにいんのォ!?」


ぎゃーーやべッ、思いっきり少年の言葉とかぶってしまった!別に遮ったわけじゃなくてタイミングが悪かっただけで…


「俺の知り合い、いろいろ探したけどいなかったんだ。」
「私と君は知り合いではないと思うなあ!」
「……」


なんかそんなテンションのまま喋ったらつっこんじまったハイ人生終わったーーー!
少年キョトンとしてるよ!まさかこの私にツッコミ入れられるとは思ってなかったんだろうな、私も思ってなかったもん。


「あはは、アンタ弱いくせに面白いネ。」
「へっ…」


あ、あれ……なんか、怒ってない…?少年怒ってない…?
おおおお母さん娘は無事です…!もう命が助かるんだったら「弱い」と言われようが「アンタ」と呼ばれようがどうでもいいですホント。


「それで、ターミナルはどこにあるの?」
「はい?終点?」
「これ以上ふざけたら殺すよ。」
「ひぃいいい!!」


やっぱり「殺す」出たーーーー!!
私何もふざけてないもん!ターミナルって言ったら日本語でバスとかの終点のことでしょ?


「ああ、ターミナルがわかんない?」
「いや、ターミナルは終点です。」
「ターミナルっていうのは江戸の中心にある空港みたいなもんだよ。」
「だったら代わりに成田空港をご利用すればどうでしょうか。」
「うん、行ってみたけど宇宙に行けないんじゃ意味ないね。」
「一般人はそんな軽々宇宙には行けません。」
「…じゃあターミナルないの?」
「君の言うターミナルはないと思います。」


あーなんかもう吹っ切れたらスラスラ話せるようになってきた。なんじゃもーー早く福山さんに会わせろ。結婚させろ。


「……あ。」


少年が何か思い出したように呟いた。
ちょ、そーいうの本当気になるんだけど。一体何を思い出したっていうんだ少年!家の場所?お父さんの名前?
気になるけど聞いちゃいけないって私のなけなしの本能が……


「異世界に来たのかな。」


聞いてないのに言っちゃったーーーー!!
しかも異世界ってどこのファンタジーだよここは現実ですからね!あれ、現実だよね?夢であって欲しい気がしてきた。


「いやぁ、ウチはいろんな機械とか薬とか人とかやり取りしてるからさ。なんかそーいうのがあった気がする。」


はーい、この子今サラリととんでもないこと言いやがりましたよおまわりさーーーん。
機械はいいとして、薬と人はやり取りしちゃあいけないな。海賊は海賊でももっと麦わら的な、いい海賊目指そうよ。


「……」


そして少年は考えこんでしまったようで黙りました。
この隙にテレビのチャンネル変えていいかな?いいよね?ここ私の家だし。


「…ってことでよろしく。」
「何を!?」






■■
題名のSPはショッキングピンクの略です。




next≫≫
≪≪prev