銀魂 | ナノ
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02


「つーわけで、名前も今日からここに住むことになったから。」
「「ていうか、誰?」」











朝の10時。
押入れから目ヤニのついた目をこすりながら起きてきた神楽と出勤してきた新八が見たのは、見ず知らずの巨乳の女性と楽しげに話している銀時の姿。


「何しとんじゃ天パァァアア!!」
「何でェェエエ!?」


数秒固まった後、神楽が銀時に凄まじい蹴りを入れた。
それを顔面にモロにくらった銀時は壁に激突し、「糖分」と書かれた額が落ちて天然パーマの頭に衝突。
名前は目をパチクリさせて神楽と、それから新八を見つめた。


「銀ちゃん店の女連れ込むなんて最低ネ!巨乳プレイカ!?楽しかったカ!?」
「ちょっと待てー神楽ー。銀さんは大きさよりも形重視だ!!」
「そこじゃねーよ!そんなこと聞いてねーよ!」


神楽が銀時の胸倉を掴んで罵声を浴びせ、銀時が低いテンションで言い返し、新八が見事に突っ込む。いつもの万事屋の風景である。


「誰なんですか、この人!」


新八がビシッと名前を指差して聞いたところ、銀時から返ってきた返事が冒頭である。…返事になっていない。


「名字名前。銀時とは幼馴染なんだー。君たちは?」


銀時の代わりに名前本人が2人に自己紹介をした。こう言ってくれればちゃんとわかったのに。
勘違いであったことがわかった神楽が銀時の胸倉を放し、早速興味津々に梨子に近づいた。


「私神楽って言うアル!ここで銀ちゃんの面倒見てあげてるヨ。」
「オーイ神楽ちゃん逆だよね?」
「僕は志村新八です。ここで働かせてもらってます。給料もらったことないけど。」
「オイ新八どさくさに紛れて言わなくていいことまで言わないの!」
「よろしく!銀時がお世話になってるみたいでなんかごめんねー。」
「あれ、ちょっと名前さん?」


銀時そっちのけで話をすすめる3人に少し傷つきながらも、銀時は額を戻してから元の位置に座った。


「名前がここに住んでくれるならもう私女一人で肩身が狭い思いしなくていいアル!」
「オーイお前がいつ肩身狭い思いをしましたか。」
「でも梨子さんいいんですか?こんなところで…。」
「こんなところってどういう意味かな新八くん。」
「何で私がここに住むの?」


名前の一言で、すっかりテンションの上がった神楽と戸惑いながらも少し嬉しそうな新八の目が点になった。
そして2人とも同時に銀時の方を振り向く。銀時は死んだ魚のような目で発掘したばかりの鼻くそを眺めていた。


「だって冒頭で銀ちゃんが…」
「いや私家あるし。ちゃんと生計たててるし。」
「「……」」


ということは、冒頭の銀時の言葉は全くのでまかせであったということだ。
新八と神楽の銀時を見る目が軽蔑のまなざしに変わっていった。


「ばッ、おま、折角久しぶりに銀さんに会えたんだ、しばらく側にいたーいっつーのが乙女心だろーが。」
「あはは、まぁ会えて嬉しいけど私仕事忙しいからさ!今日もこの後配達が……って行かなきゃ!じゃあね銀時!」


銀時の言葉とは正反対に、名前はなんのためらいもなく時計を見るなり立ち上がった。


「ってちょっと待てェェエ!!いいの!?銀さんとの感動の再会がこんなんでいいの!?」
「うん。今度飲みに行こうよ。じゃーね!」


そして喚く銀時を振り返りもせずに出ていってしまった。
取り残された銀時は行き場を失った右手を力なく下げて軽くため息をついた。
そんな大の大人を見る新八と神楽の目は、やはり軽蔑の念を含んでいる。


「銀さんアンタ…」
「……な、何だァ新八その目は……ばッ…ちげーよ別にそんなんじゃなくて!名前はあー見えて寂しがりやで…」
「寂しがりやは銀ちゃんアル。」
「見事にあしらわれましたね。…昔からこうなんですか?」
「………いや、昔はまな板だった。」
「胸じゃねーよ。」




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