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14:買い物は潔く



「ニャーー」
「ワンワン!」
「シャーーッ」
「ウホッ」
「わ〜、可愛いですね〜。」
「そうね。」
「おい、何でペットショップにゴリラがいるんだよ。」
「ペットショップだから。」
「………」












前回、名前と近藤と沖田、更に山崎の賛成により真選組でシャム猫を飼うことになった。
思い立ったが吉日。その後すぐに5人でペットショップにやってきた。本当にこの人達は仕事をしているのか…。
5人の入ったペットショップでは江戸で1番大きい店で、猫・犬はもちろん、蛇やゴリラなども売っている。


「あ、ここらへんが猫のゾーンですね。」
「どれにしますかィ?」
「色はやっぱ薄紫くらいよね。」
「じゃあこれですかね?」
「お、お客さんお目が高いね!その子はね、人間の話す言葉がわかるんですよ!」


名前達が猫を見てると、売り場にいた店員が陽気に声をかけた。
なんでも今山崎が指差した猫は、人間の言葉がわかるというのだ。


「…へえ…すごいわね。」
「ちょっと何普通に信じちゃってんですか!本当にわかるんですか!?」
「もちろんです。何か話しかけてみてください。」
「じゃあ近藤さんどうぞ。」
「え?オレ?えーっと……初めまして、僕近藤勲です。」


何故この男はいきなり自己紹介をするのか。しかも猫に。


「あ、嫌そうな顔した。」
「これは『臭いから近づくんじゃねーよゴリラ』という表情ですね。」
「何で表情1つでそんなわかるんだよ!!」


猫は嫌そうな顔をして、近藤から視線をはずした。近藤は軽くショックを受けた。
店員が言ったことも、おそらくハズレてはいないだろう。


「どうです?すごいでしょう。」
「これだけじゃ言葉がわかったとは言えませんよ!局長の顔が嫌だっただけかもしれませんし。」
「あれ?なんかすっごいグサってきた。」


更に山崎の悪気の無い言葉がグサリと近藤に刺さった。


「じゃあ………名前は紅とジョセフィーヌどっちがいい?紅だったら右手、ジョセフィーヌだったら左手。」
「お前どーいうネーミングセンスしてんだよ!?」


名前がそう聞くと、猫は間髪入れずに名前の右手に触れた。


「…紅ね。おじさん、この子頂くね。」
「まじで!?」
「決断早ッ!もっと考えろよ!!」
「女は度胸、潔くよ。」
「同感でさァ。」
「気が合うね、沖田。」
「ですねィ。」
「では、お会計25万円となります。」
「高ッ!!」


流石言葉がわかる猫(?)なだけあって、値段も相当なものだ。


「…出番よ、土方。」
「随分損な役回りだなあオレは!持ってるわけねーだろ!!」
「チッ使えねー」
「オイ沖田聞こえてんだよォオ!!」
「お客様、店内での抜刀はご遠慮ください。」
「えーとじゃあ…真選組につけといて。」
「「まじで!?」」
「え……わ、わかりました…。カゴはいりますか?」
「いらない。」
「それでは、どうぞ。」


店員がシャム猫を抱き上げると、シャム猫はすごく嫌そうにもがいて、名前の腕の中に飛び移った。


「あら。」
「ニャーv」
「懐かれたみたいですねィ。」


早速猫は名前にベッタリだ。


「いいな〜いいな〜。次オレに抱かせて?」
「……」
「あ、嫌そうな顔してる。」
「!!」


しかし近藤が次抱きたいと言うと、猫はすごく嫌そうな顔をした。
またしてもデリケートな近藤の心がナイフで刺された。


「名前さん、あの…もうちょっと癒しを与えてくれるのにしません?」
「充分癒し与えてくれるわよ、この子。」
「だって…」
「シャーーッ!」


再び近藤が猫を見ると、猫は近藤の方を向いて思いっきり威嚇の顔をしていた。


「近藤さん、紅は人語がわかるんですぜ。」
「………」
「……ごめんなさい。えーと…お友達からでいいんで…」
「何で交際求めてんだよ。」


猫の顔が更に険しくなった。


「ったく、たかが猫一匹で…」
「シャーーッ!」


ふと、タバコをふかしながら土方が呟いて猫を見ると、土方に向かっても威嚇をしているではないか。


「………単なる女好きじゃねーかこの猫はよォオオ!!」
「それは違うね。沖田と山崎には威嚇しないもん。」
「そうでさぁ。ただ単に嫌われてるだけですねィ。」
「まあわかる気はしますが…」
「ほー?俺のそーいうところが嫌われてるってんだ?10字以内で簡潔に述べてみろ!」
「え゛ー!?」
「「……マヨネーズ。」」


土方が山崎をしばく傍らで、名前と沖田が声を合わせて言った。


「………関係ねェだろーがよォォォオ!!」







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