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12:彼女に遠まわしな言い方は通用しない



「はーーー…たまには外に出たいもんだねェ、沖田。」
「そうですねィ。」
「最近あたしらの休暇が減ったのは何でかねェ、沖田。」
「土方さんの所為らしいでさァ。」
「テメーらなァ……仕事しねーなら出てけ。」















「休暇が欲しいねェ、沖田。」
「そうですねィ。」


仕事をしている土方の目の前に並んで座って色々言っている名前と沖田。
最初は回りくどく言っていたのが段々と単刀直入になってきた。どうやら休暇が欲しいらしい。
名前は休暇が減ったと言ったが、それでも週に1回は必ず休みがある。他の隊士に比べれば上等なものだ。
沖田も沖田でいつものように仕事をサボって寝ている。


「聞こえなかったか?出てけ。」
「どこにいようがあたし達の勝手じゃない。」
「ずっと見られてると気が散るんだよ。」
「自意識過剰な人だ。テメーなんか見てねーよ。」
「見てんじゃねーか思いっきりよォオ!!つーか仕事しろ仕事!!たまってんだろ!」
「デスクワークなんて芸当あたしに出来るわけないでしょ。よく何時間もパソコンに向かってられるわね。」
「きっと仕事してるフリしてエロサイトでも見てんでさァ。ホラ、ムッツリだから。」
「ああそうか。ムッツリだもんね。」
「いい加減にしろよテメーらァァアア!!」


言いたい放題の名前と沖田にキレる土方。
こうやって2人がかりでからかってくるのはいつものことだった。


「人間休憩ってもんは必要だよねェ、沖田。」
「そうですぜ。人の集中力ってもんはもってせいぜい30分ってとこですねィ。」
「そりゃお前らだけだろーが!チョコレートでも食っとけ!!」
「そうね。沖田、銀さんのとこにでも行こうか。」
「そりゃいいですねィ。」
「いやいやあいつのとこには行くんじゃねェ!!」
「何でよ?」
「………プッ。」
「総悟テメー今何で笑った!?言ってみろ!目線を外さず!」
「…言っていいんですかィ?」


ニヤリ。という沖田の黒い笑みを見て土方は言葉をつまらせた。


「……っあーーもう好きにしろ!けど仕事は減らさねーからな!」
「流石土方vじゃあ行こうか沖田!」
「あいあいさー。」


そしてとうとう土方は折れてしまった。
許可をもらうなり、名前は沖田の手をひいて土方の部屋を出て行った。
2人が出て行ってから、土方は深い溜息をついた。











「さて沖田……まずどこから行こうか。」
「早速ホテル行っちまいますかィ?」
「何でわざわざホテルに泊まるの?自分の家があるでしょ。」
「………ですねィ。」


沖田の言葉を軽く流す名前。…というか、沖田の言う「ホテル」を理解していないだけなのだが。


「じゃあオレの行き着けの駄菓子屋に案内してあげまさァ。あそこのババアは目が悪いからアタリを偽造してもバレませんぜ。」
「よし行こう。」


…ということで、2人は沖田行きつけの駄菓子屋に。
何のためらいもなくアタリを偽造してそこの駄菓子屋のババアを騙しまくった。
1回でやめた名前はともかく、何回も騙している沖田は後々呪われそうだ。


「お、マジで当たった。」
「おめでとー。」
「ちょっくらいってくらァ。」
「ついでにスルメもらってきて。」
「あいよ。」


2人ですぐ前の公園のベンチに座ってアイスを食べていたら、今度は本当に当たったようだ。
沖田は当たりの棒を持って再び駄菓子屋に入って行った。


「おね〜さん、オレ達と遊ばなーい?」


それから少し経って、3人の男が名前の目前に現れた。
ニヤニヤしながら、名前に話しかける。俗に言うナンパというものだ。


「遊ぶ?」
「そうそう。楽しいよォ〜。」
「あたしがそんな歳に見えますか?」
「え?」
「あたしが遊具や玩具で遊んでキャッキャと喜ぶような歳に見えますか?」


「遊ぶ」とはそういう意味では無いのだが…。
いくらここが公園だからと言って間違える人はそうそういないだろう。


「…ぷっ!おねーさんマジボケ?!」
「いいね〜、天然おねーさん!」
「とにかくついて来てよ。」


すると1人の男が名前の腕を強引に掴んだ。


チャキ

スチャ


「これだから最近の青二才は嫌なのよ。礼を失って失礼。習わなかった?」
「名前さんに惚れたら火傷どころじゃすまねーぜ。」


同時に名前が護身用のハサミを男の首をはさむようにかまえて、後ろでは沖田がバズーカを構えていた。
……確かに火傷どころでは済みそうにない。


「ヒッ、ヒィイイ!!」
「すっすっす、すいませんでしたァァアア!!」
「命だけはァーー…!!」


それを見て一気に怖気づいた3人の男達は、足早に逃げていった。


「…何て言われたんですかィ?」
「遊ばない?って。まったく、おちょくってんのかね。」


名前の言葉を聞いて沖田は、多分名前はナンパされた事に気付いてないだろうと推測した。


「……これからは気をつけた方がいいですぜ。『遊ぶ』っていうのはエロ用語でィ。」
「まじでか。今度土方に言ってみよー。」
「きっと鼻血噴いちまいまさァ。」
「…よし!そうと決まれば帰るか。面倒臭いけど一応仕事やんなきゃねー。」
「ですねィ。」


2人は大量のお菓子を抱えて、屯所に帰った。







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