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41:強くなりたい

「あ、ベポ!」
「……」


あの毛むくじゃらの後頭部はベポだ。久しぶりに見た愛らしい姿に嬉しくなって大声で呼ぶけどベポは振り返ってくれない。人違い?あ、熊違い?


「…ベポ?あれっ!?」


駆け寄ってみるとさっきまで確かにそこにあったベポの大きな体がすっと消えてしまった。


「あっシャチ!ペンギン!」


ベポの姿を捜して辺りを見回すと奥にシャチとペンギンの姿も見つけた。
けれど2人は私と視線を合わすことなくベポと同じように消えてしまった。うそ、何で。嫌だ…!


「ッ…船長!!」


その奥に船長の姿が見えて、私と視線が合う前に消えてしまった。









「おうナマエ、おはよう!」
「おはよう。」


……夢だった。
仲間が次々と消えていく夢なんて最悪だ。夢で本当に良かった……なんて、そんな能天気に済ませられることではない。
実際にルフィ達はバラバラになってしまった。もしハートの海賊団のみんながあの場にいたら、危険を回避できた?確証はできない。


「朝めし食ったか?今日のは一段とうまいぞ!」
「あ、はい頂きます。」


赤髪海賊団のみんなは船長含めて気さくに話しかけてくれていい人達ばかりだ。暖かい布団に美味しいご飯まで用意してもらって至れり尽くせりの生活をさせてもらってるけど……果たしてこのままでいいのか。
そもそも船長達は無事にシャボンディ諸島の混乱から脱出することが出来たんだろうか。


「シャンクス……」
「なんだナマエ、ホームシックか?」
「私、強くなりたい。」


ここで何もせずダラダラと過ごすわけにはいかない。


「せめて自分の身は自分で護れるくらい……みんなの足手まといにはなりたくない。能力だって、もっと使いこなせるようになりたい……!」
「……そうか。」


今までは何とかなってきたけど、船長が目指す場所はまだまだ先だ。私が足を引っ張って、みんなの夢の邪魔をすることになるのは絶対に嫌だ。
不本意ながらも手に入れた能力は私の大きな武器になるだろう。


「それなら適任がいるな……トマ!」
「は、はい!」
「こいつも動物系の能力者なんだ。見せてやってくれ。」
「はい!」


シャンクスに呼ばれたのは私と同じ歳くらいの男の子で、動物系の能力者らしい。黒豹の姿になって見せてくれた。猫と間違われる私とは違って強そうだ。


「トマ、しばらくナマエに稽古をつけてやってくれないか?」
「じ、自分でいいんですか?」
「能力に関するノウハウだったらお前が一番だろ。ナマエもいいか?」
「もちろん!です!」


さすが四皇、赤髪海賊団。私の指導にピッタリな人材を紹介してくれた。
うちには動物系はいないから能力に関するコツとか全然知らずにここまで来たんだよね。


「えっと……よろしくお願いします。」
「こ、こちらこそ!」




■■
久しぶりの更新。プロットは結構書いてあるんです…。




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