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42:黒豹のトマ

「トマ早く!食べるの遅い!」
「よく噛んで食べてるんだよ。」
「あいつら微笑ましいなー。」
「すっかり仲良くなっちまって。」


最初こそお互いに気遣いをしていたナマエとトマだが、同い年ということもあって1週間も経てばすっかり仲良しになっていた。
ナマエくらいの歳の女はこの船では珍しく、クルー達も子供を見守る親のような温かい目で2人のやりとりを見ている。


「あ!シャンクス見て見て!」


ナマエ自身も元々壁を作るタイプではない。四皇に対しても態度を変えないのは流石の図々しさだ。


「半獣姿!できるようになったの!」
「おーすごいじゃないか!」
「トマの教え方が上手いからだよ。」
「すごいなートマ!」
「あああありがとうございます!!」
「あははトマ嬉しそー。」
「う、うるさい!」


トマはシャンクスを尊敬しているようで、シャンクスに褒められると嬉しそうに顔を赤くした。


「ねえ、トマは何で赤髪海賊団に入ったの?」
「何だよ急に。」
「だってなんか似合わないから。トマひょろいじゃん。」
「おま、ひょろいって……失礼な奴だな!」


ふと気になったことを聞いてみた。
「ひょろい」は言い過ぎかもしれないが、トマの見た目だけを見たら海賊とはとても思えない。どちらかというと学者とか物書きとか、そういったインテリな雰囲気を醸し出している。


「……おれ、元々植物を研究しててさ。」
「へー!」
「ここに入ったのはお頭に命を救われたからなんだ。」
「トマ、シャンクスの前だと挙動不審だもんね。」
「そんなことねーよ!」


ナマエがトマに感じた印象はなかなか的を射ていたようだ。


「私はね、医者になりたいの!」
「……だから死の外科医の船に?」
「最初はいやいやだったんだけどね。今は……うん、大事だよ。」
「……そうか。」


そう話したナマエは、先程シャンクスのことを話したトマと同じように優しい表情をしていた。
きっともうナマエにとってハートの海賊団は大切な居場所になっているんだろう。





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