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37:麦わらの騒動

「きゃああああ!」
「うわああああ!」


………何この状況。











オークションってやつがあまりにも胸くそわるいものだったからか、キッドさんと過ごして精神的に疲れたからか、私は寝てしまっていたようだ。
そして目が覚めると……意味がわからない状況だった。
まず、会場いっぱいにいた客がほとんどいなくなっている。いるのは私たちと、護衛兵っぽいのがいっぱいと………麦わら帽子…この人どっかで…


「海軍ならもう来てるぞ麦わら屋。」
「何だお前……何だそのクマとネコ。」


ああ、確か3億ベリーの海賊だ!
すごくいい笑顔の手配書だったから本当に海賊か疑っちゃったけど、実際に見てもやっぱり悪い海賊には見えない。


「海軍ならオークションが始まる前からずっとこの会場を取り囲んでる。」
「えェ!?本当か!?」
「この諸島に本部の駐屯所があるからな。」


え、うそ、ちょっと今船長何て言った!?海軍が取り囲んでる!?
それってやばいじゃん!私たちまさに袋のネズミって奴じゃん!
何で船長こんなに落ち着いてるの!?ベポもペンギンも、何悠々と座ってんの!?シャチは……多分びびってるなこいつ。


「誰を捕まえたかったのかは知らねェが、まさか天竜人がぶっ飛ばされる事態になるとは思わなかったろうな。」


え、天竜人ぶっ飛ばされたの?それでこの騒ぎか……なるほど。そして多分、ぶっ飛ばしたのは麦わらくんだな。
いやー……麦わらくんグッジョブ!むかつくよねあの人たち!


「トラファルガー・ローね…あなた…!!――ルフィ、海賊よ、彼。」
「……ふふ、面白ェもん見せて貰ったよ、麦わら屋一味。」
「クマとネコもか?」


船長がクールに決めても麦わらくんはベポと私に興味津々のようである。
そして船長の名前を知っていたのは手配書に載っていたお姉さん。実物超美人なんですけど。胸でかすぎなんですけど。
後ろでシャチの鼻息が荒くなったのを感じた。最低。


「しょしょ……少々お待ちをシャルリア宮、その商品はまだお支払いが済んでいませ…」
「うるさいアマス下市民!!あいつらの狙いの人魚を殺すのアマス!!」


ステージの上には星型眼鏡の人と天竜人がもめていた。
水槽の中に入ってるのは…人魚?わー、すごい、初めて見ちゃったよ私!
でも天竜人が人魚の女の子に銃を向けていて何やらピンチだ。
よくわからないけど、麦わらくん達はあの子を助けたいのかな。でもこの距離……間に合いそうにない。


「!!!」


麦わらくんのクルーの各々が武器を構える中、天竜人が突然倒れた。
原因は…剣士の人でも、鼻が長い人でもない…と思う。


「ホラ見ろ巨人君。会場はえらい騒ぎだ。」
「………」


ステージの背面を破って登場したのは巨人さん。これまた初めて見ちゃったよ私!でか!
あ、あとおじさんもいたっけ。お酒飲んでる。酔っ払いが紛れ込んだのかな?


「あれは……」
「……?」


船長を見上げてみると、珍しく額に汗をかいている。何を焦ってるんだろう?
あの酔っ払いおじさんと知り合いなのかな?


「―――さて…」
「…!!」


船長のモコモコ帽子を最後に、私の視界は再び閉じた。……何で?








■■
一般人がレイリーさんの覇気に耐えられるわけない。






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