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32:変身できた

その日は朝から海軍の襲撃に遭い、いつもより早く起こされたローはすこぶる機嫌が悪かった。
ローの睡眠を邪魔したということで、その海軍はクルーも青ざめる程無残にバラされてしまった。その間、約5分。
その後も海王類だの嵐だので、結局寝ていられなかった。
そして現在深夜0時。普段は3時頃に就寝するローだが、今日は一刻も早く眠りたかった。


「………」


早々にシャワーを浴び、髪も適当に乾かし、後は寝るだけ。
そうして自室に戻って来たローはベッドの上にある物体を見て固まった。そして額に青筋。


「う……も、やだ……ねこまんま………」


ローのベッドを占領していたのはナマエ。
その手からは読みかけの医学書が零れ落ちていた。ベッドの上で読んでるうちに睡魔に負けてしまったんだろう。
…図々しいことこの上ない。










「………ひいいいいい!?」


翌朝。ナマエは目を覚ますとローに抱きかかえられていた。
前にもこんなことがあった気がする。しかしそれは嵐にのまれた時と虎になっていた時で、一応理由がある。
今回は理由が見当たらない。何故理由もなしにローに抱きかかえられて寝なければならないのか。


「船長!暑い!放してーーー!!」
「………」
「ちょ、今起きたよね!?無視すんなー!」


当然脱出を試みるナマエだが、ローの腕の力は強く逃れることができない。
となるとローを起こして放してもらう他ない。ローの頬をぺちぺち叩くと閉じていた瞼から鋭い眼光が覗く。
しかしすぐに何も無かったかのように閉じられてしまった。


「このやろおお…!!」


前科があるだけにナマエは必死である。
もしまたこんなところをクルーに見られてしまっては、また変な噂を流されてしまう。それだけは何としても避けたい。


「船長バカ!変態!」
「うるせェ……黙れ…」
「黙っていられるか!」


胸板をぐいぐい押してもがくが、ローにとっては大した抵抗になっていないようだ。びくともしない。


「お前がおれのベッドを占領してたのが悪ィ。」
「……あ。」


そう言われて、自分が船長室の医学書を読み漁っていたことを思い出したナマエはなんとなく事の経緯が理解できてきた。


「いやいや、だからって一緒に寝る必要はないじゃん!起こしてくれるかソファで寝るかすればいいじゃん!」
「何でおれがテメーのためにそんなことしなきゃいけねェんだよ。」


なんて勝手な奴だと憤慨するが、ナマエの言い分もなかなか身勝手である。
ここはローの部屋だ。そしてローは船長。そもそもいちクルーが勝手に入って占拠していい場所ではないというのが一般常識だ。


「大体な…、夜に男の部屋に来る時点で何されても文句言えねェんだよ。」
「は…っ!?」


ましてやナマエは女性。この二人だからこそ今までも何も起きなかったのかもしれないが、男女が同じベッドに入るというのは、つまりそういうことを意味する…と思うのが普通ではないだろうか。
ローが最もなことを言い、ナマエが口答えしようとしたその瞬間、急に訪れる胸元の解放感。
下着のホックを外されたのだと理解したのは数秒後のことだった。


「な…ななな……!?」
「男ってのは割りと簡単に欲情すんだぜ?相手がお前でも、だ。」
「っ、あ…船長……」


いつもとは違う熱がこもった瞳を近づけられ、背中をすっと撫でられるとゾクゾクとした感覚が体中を駆け巡る。
よくわからない感覚にナマエの肩に力が入る。


「…の、変態やろおおお!!」
「!」


ボフン!


そしてその力をそのまま解放すると、虎の姿でするりとローの拘束を解いて部屋から逃げていった。
















「おいナマエ、船長の顔の引っかき傷お前だろ?何してんだよ!?」
「私悪くないもん!」









■■
糖分入れようとするとどうしてもいかがわしいものになってしまうみたいです。
次シャボンディ。





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