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27:猫耳効果

キッド海賊団に遅れること2日。ハートの海賊団も出航し、次の島を目指している。


「あっ…やぁ…!ん…!」
「どーした?集中しろ。」
「だっ誰のせいで…!ひゃ、そっちは…うあ…っ」


甲板にはナマエの甘い声が響いていた。
隣に座るローは涼しい顔で本を読みながらナマエの敏感なところを弄り、ナマエはローの指の動き一つ一つに翻弄される。








「あーーーもう集中できない!いい加減にしてよ船長!!」
「いい加減にするのはお前だ。悪魔の実の力をコントロールできないなんて聞いたことねェ。」
「だから私は一般人!!」


先日ナマエが食べてしまったのはネコネコの実、モデル:スノウタイガー。
動物系の実は人型、人獣型、獣型と3種類に姿を変えることができるのだが……ナマエは耳としっぽが生えた状態から戻れないままでいた。
朝からずっと「戻れ戻れ」と念じるも虚しく、姿が変わる様子は一向に無い。
…というのも、さっきからローがナマエの耳やしっぽを弄っているせいかもしれないが…。
どうやらその部分だけ刺激に弱いらしく、指で擦る度ゾクゾクとした何かが背中を走り、変な声が出てしまうんだとか。
ナマエ自身に自覚はないが、真昼間から甲板の上でそんな声を出されたらクルー達は気が気じゃない。
もちろんナマエをそういう目で見ているわけではない。しかし反応してしまうのは男の性。
ぎこちない動きで甲板を掃除するクルーを尻目に、ローは喉の奥で笑った。この男は確信犯である。


「おーいナマエ飯食うかー!?」
「ん?」
「食え!ニボシ!!」
「海の藻屑にしてやろうかシャチこのやろー。」


そんなところに一人テンションの高いシャチがやってきた。
ナマエが猫になってからというものの、クルーたちはナマエを甘やかすようになった。特にシャチがデレデレである。
必要以上に構ってくるシャチにナマエはもううんざりしていた。
ニボシをご飯として与えるなんて、ナマエにとってはいやがらせでしかない。


「アホか。そんなんじゃ腹膨れねェよ。」
「ペンギン……」
「ほら、ネコまんまだ。」
「どいつもこいつもアホばっか!!」


いつもはシャチのボケに対して鋭いツッコミを入れるペンギンも、この件に関しては機能しないらしい。
普段の扱いが酷かった分優しくされるのは気分がいいのだが、いかんせん方向がおかしい気がする。
ベポといい、この船のクルーは動物が好きなのだろうか。


「もうやだ早く戻りたい…」
「何で?今のままでもいいんじゃない?」
「いいわけない!」
「すいません……」
「いーじゃねーか!色気上がったぞ!」
「そーだ!船ん中が華やかになった!」
「クソオヤジどもめ。」


元の姿に戻れないこととクルーたちからうざったい愛情を注がれることとで、ナマエのイライラは最高潮に達していた。
それ故にいつも以上に口が悪くなっている。


「うるせーぞてめェら……」
「あっ…!」
「こいつは今、おれと特訓中だ。」
「「!!」」


気づけばナマエの周りにはクルーがいっぱいで、それが気に入らないローは再びナマエの耳を弄り始めた。
不意打ちということもあって、ナマエの口から大きな声が漏れる。


「あ、うぅ……やっ……」
「「すいませんっしたーーー!!」」


紅潮した頬に潤んだ瞳…そんなナマエの姿にクルーたちは硬直した後、一目散に散っていった。







■■
なけなしの糖分を込めたつもりでしたが、ただ単にいかがわしいものになってしまいましたごめんなさい。





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