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15:能力を知る

こんにちは。ひょんなことからハートの海賊団で医者見習いをやってる、ナマエです。
まあ、そのひょんなことってつまり拉致されたことなんだけどね!
船に乗ってから船長が二億の賞金首だって知って降りようかと本気で考えたけど、なんだかんだ医学の勉強はちゃんとさせてもらえてる。
船長の部屋にある医学書は断ればいくらでも読んでいいし、島につけば本屋につれてって好きな医学書を買ってもらえる。
この前ペンギンが病気で倒れた時は全ての処置を私に任せてくれた。
少しずつだけど、私はこの船で成長できている気がする。









「船長、本屋行こう!」
「………」


新しい島に着いたのは1時間程前。
前回勝手に島に降りた時は何故か怒られたから、今回はちゃんと断りを入れる。
今回の島は前の島よりもジャングルっぽくて、私は早く薬草を探したり医学書を買ったりしたくてうずうずしていた。


「……つなぎはどうした。」
「あれ着てたら海賊ってバレちゃうもん。」
「……(イラッ)」


前回海軍に追われた教訓を活かして、島に降りるときはつなぎを脱ぐことにしたのだ。
あれ着てたらハートの海賊団の一員だってバレバレだからね。私は海賊じゃないけど!そんな言葉通用しなかった。


「足手まといとして賢明な判断だな。」
「……(イラッ)」


このやろう…!いちいち癇に障る言い方しやがって…!!


「ええ私は海賊じゃなくて一般人ですからね!!」
「…本屋へは一人で行け。金はやる。」









ああもうむかつく!何あの言い方!その足手まといを拉致してまで船に乗せたのはどこのどいつだよ!船長だよ!
もー、こうなったらこのお小遣い1ベリーも残らず使ってやる。医学書3冊買って、残りは1万ベリー。何買おうかなー。
私の部屋にあったものは全て持ってきてくれたからそこまで不便は感じてないけど……一つだけ足りないものがある。


「おじさん、この種は?」
「それはモルルっつー果物でな、甘くてうめェんだよ!」
「へー。植木鉢でも育つ?」
「ああ。こいつァ強い植物だからな!水さえやりゃあ元気に育ってくれる!」


実は私、家庭菜園が趣味でして。
家の食卓の材料は半分くらい私が育てた野菜や果物で成り立っていた。
観葉植物を育てるのも好きで、3年前の誕生日に弟からもらったサボテンは私の宝だ。
私はおじさんの説明を聞きながら、モルルっていう果物の種と、野菜と花の種をいくつか買って店を出た。


「西の森へ向かえ!」
「既に20名程やられている!気を抜くなァ!!」


店を出た途端海軍が走っていて吃驚したけど大丈夫、今の私はつなぎを着ていないからどこからどう見ても一般人だ。
ほら、海軍は私になんて目もくれず西に走っていく。平和そうな街に見えたのに……いったい何事だろう。


「死の外科医、トラファルガー・ローを逃がすなァ!!」


船長だったああああ!!









我関せず船に戻ろうと思ったけどやっぱり気になるものは気になるわけで……
もし万が一ここで船長がやられてしまったら私の医者になるという夢も潰えてしまうわけだから……
海軍のあとをコソコソ追って西の森に来てみれば、想像を絶する光景が目に映った。


「うわあああ何だこれェ!?」
「うわっ、お前変なとこに頭ついてるぞ!」
「お前だって、肩に足がついてるぞ!?」
「ええええ!?」


そこには体がバラバラになった海軍の人たち。頭とか手とか足とか……文字通り、バラバラだ。
でも血とかは一切出てなくて、切られてる本人たちも平気みたいで、ただただバラバラになっていた。
そして船長が悪どい顔で「シャンブルズ」と言った瞬間、海兵Aの頭が海兵Bの股間へ、海兵Cの腕が海兵Dの肩へ。
……カオスである。


「何これ船長……」
「…ああ、ナマエか。遊んでやってる。」
「………」


とりあえず出てきても大丈夫そうだから船長に聞いてみれば、至極楽しそうな顔で言われた。
なんかよくわかんないけど……ご愁傷様です、海軍のみなさん。


「そーいえばナマエはキャプテンの能力見るの初めてだよな。」
「能力?」
「船長はオペオペの実を食った、改造自在人間なんだよ。」
「………」


え?悪魔の実って確か、キチガイが食べるやつのことだよね?
船長がそんなキチガイだったなんて………まあ、納得だ。
そしてこの能力………


「趣味わるっ!!」
「ナマエ、口に出てるぞ。」







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