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12:海軍に追われる

次の日、今度はペンギンと一緒に街に出ています。
酒を買い忘れたんだって。私は酒なんてどうでもいいけど、もう少しこの街をまわりたくて一緒についてきたのだ。
結局昨日は本を選んでいたらもう夜になってて、他のお店とかはあまり見れなかったから。
船長って嫌な奴だと思ってたけどほんのちょっぴり見直した。


「あ、ペンギンアイス食べようよ!」
「よし、何味にする?」


ただ、ペンギンは船長の何百倍もいい奴だ!








ペンギンに買ってもらったアイスを食べながら酒屋の前のベンチに座ってペンギンを待つ。
本当は他のお店まわりたかったんだけど、後で一緒に行ってやるからじっとしてろと言われた。
船長といいペンギンといい、子供扱いしすぎた。私だってもう19だし、迷子になんてならないのに。


「………」


もう5分くらい経ったかな。まだかなーペンギン。
ここは初めての島だけど、なんか想像していたよりずっと普通だな。
もっとジャングルとか、得体の知れない生き物とかがいるのかと思ってた。
けど普通にお店もあるし畑もあるし、私の故郷と同じ感じだ。
道行く人も普通の人ばかり……


「………」


…と思っていたら、白い軍服に身を包む男の人が数人、道の真ん中でヒソヒソとしていた。
私の島にもいたからわかる。あれは海軍だ。つまり、海賊の敵。
どうしよう、中に入ってペンギンに知らせるべきかな…。


「……ん?」


あれ、気のせいかな海軍の人たちがどんどん近づいてきてるような…
あれ、ペンギンピンチだよ早く逃げて!


「お前!ハートの海賊団だな!」
「!?」


えええピンチなの私ーーー!?
ちょ、お兄さん達剣なんて構えちゃって、やる気満々ですか!?


「ち、違います私海賊じゃないし!」
「嘘つくな!」
「お前には人質になってもらう。」
「船はどこだ!?」


逃げた。
だってお兄さん達聞く耳持たないんだもん!このままのんびりしてたら私確実に捕まえられてたもん!


「待てーーー!!」


後ろを振り返れば追ってくる海軍。
ああもう何でこんなことに…!アイス食べ終わっててよかった…。
ていうか、そもそも何で私がハートの海賊団ってわかったの!?私ってそんなに海賊顔!?


「ナマエ!大丈夫か!?」
「ペンギン!」
「仲間だ!」
「構わん、一緒に捕まえるぞ!」
「おおお!」


走っていると酒を両手に抱えたペンギンが追いついた。そしてペンギンの姿を見て理解できた。
つなぎだ……!!
つなぎ着てるからハートの海賊団だってバレたんだよ!考えてみれば当たり前じゃんか!
あああ少し喜んでしまった私のバカ!海賊なんて大嫌いだあああ!!






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