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11:初めての島

「島についたぞ〜〜〜!!」


船の上で過ごすこと1週間。ハートの海賊団一行はようやく次の島に到着した。


「ベポ、ナマエを呼んでこい。」
「ナマエならさっき薬草探してくるって言って飛び出してったよ。」
「………」


島について10分も経ってないというのに、ナマエはもう外に出てしまったらしい。
まだどんな島かもわからないうえに、一番の下っ端がこの態度である。ローの口角が怒りで震えた。


「おおおおれ探してきます!」
「いい、おれが行く。」
「(あ、ナマエ終わった。)」


長刀を持って船を降りるローの背中を見て、シャチはナマエの終わりを悟った。








そんなやり取りがされていることとは露知らず、ナマエはこの間もらったつなぎに身を包んで森を散策していた。
このつなぎ、船の中では少し暑苦しいが、森の中を歩くには適している。紫外線避けにもなるし、木の枝で肌が傷付くこともない。


「んー……あんま無いなー。」


しばらく歩いてみたが、珍しい薬草は見当たらないようだ。
生えているのはただの雑草や花ばかり。それらはナマエの故郷と同じものばかりだった。


「つまんない。」
「おい。」
「…あ、船長。」


呟いたナマエの背後からドスのきいた声が投げかけられ、振り返ってみれば不機嫌なローが立っていた。
他のクルーならばガクブルものなのだが、ナマエの場合ローは基本不機嫌だと理解しているのでいつもと態度は変わらない。


「…おれの許可無しに船を降りるんじゃねェ。」
「船を降りるのに船長の許可がいるの?」
「ああ、船長だからな。」
「ふーん……海賊ってよくわからない。」


自分に全く臆しないナマエの態度に逆に毒気を抜かれたのか、ローは薄く笑みを浮かべた。


「……で、何かあったのか?」
「んーん、何も無いみたい。」
「じゃあ街に行くぞ。」
「うん!」








「ねえ船長アイス!アイス食べようよ!」
「…食わねェ。」


街は都会でもなく田舎でもなく、平凡なりに栄えているようだった。
商店街には八百屋、肉屋、装飾屋など、様々な店が立ち並ぶ。
海賊が訪れることも滅多にないのか、道中を二億の賞金首が堂々と歩いていても大きな反応はない。


「入るぞ。」
「……本屋?」


ナマエが興味を示すアイスクリーム屋やクレープ屋などは全て無視し、ローがやっと立ち止まったのは一軒の古びた本屋の前だった。
中に入ってみると、外観からは想像できないくらいたくさんの本が所狭しと並んでいた。
ローは医学書が並んでいるところまで行ってニヤリと笑った。


「好きなだけ買っていい。」
「……ありがとう!!」









■■
ちょっと優しいローさん、っていうのを書きたかったんだけどなんか微妙になってしまいました。






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