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09:呼び方の問題

「ねえシャチ、トラファルガーは?」
「……ナマエ、ちょっとそこ座れ。」








ただトラファルガーの居場所を聞いただけなのに、シャチはなんか難しい顔をして私に座れと言ってきた。
いきなり何だっていうんだ。まあ、大人しく座っとく。椅子に。


「あのなァ……船長のことトラファルガーって呼ぶのやめろって言っただろ!」
「何で?」
「何でって……船長にもやめろって言われただろ?」
「そうだっけ?でも、何て呼ぼうが私の勝手じゃん。」
「勝手じゃねェ!とばっちりがおれ達に来るんだよ!」


シャチは私がトラファルガーのことをトラファルガーと呼ぶ度にビクビクする。
人のことをどう呼ぼうと私の勝手なのに。とばっちりっていうのもよくわからない。
それに、私トラファルガーの下の名前忘れた。いやあ、なんかトラファルガーっていうのが印象的で。
まあ名前知ってたとしても、名前で呼ぶような間柄じゃないしね。


「……じゃあ何て呼べばいいの?」
「そりゃ船長だろ。」
「………なんかやだ。」
「はあ!?」


シャチとかペンギンとか、他のクルーはトラファルガーのことを船長と呼ぶ。何故かベポだけキャプテン。
そりゃみんなは自分の意思で海賊としてこの船に乗ってるからいいんだろうけどさ、私は拉致されたも同然なわけなんだよ。
トラファルガーのことを船長って呼ぶと自分が海賊になったみたいでイヤだ。


「私は海賊じゃなくて医者になりたいの!」
「……じゃあ師匠とか?」
「…っ!?」
「お前、失礼な程素直だな。」


シャチが変なことを言うもんだから、ぞわって鳥肌がたった。
師匠っていう言葉は心から尊敬してる人に使うものだと思う。したがって、イヤだ。


「何してるんだ?」
「あ、ペンギン。聞いてよー。」


いいところにペンギン登場!
私はいい加減意味わかんない抗議をしてくるシャチから逃れたくて、ペンギンに経緯を話した。
基本的にシャチもペンギンもアホだけど、ペンギンの方が物分りがいいというか、頼りになる。


「ね、別によくない?」
「よくねーよ!あの時の船長の顔見てただろ!?」
「………ナマエ、よく考えてみろ。」
「?」
「トラファルガーより、船長の方が言いやすいだろ。」
「……なるほど。」
「えええそんなんで納得すんのお前!?」


ペンギンに言われてみるとそんな気もする。
トラファルガーなんて、絶対何回か噛む。それで笑われるのは不愉快だ。
「船長」っていうあだ名だって考えればいっか!


「で、船長どこ?」
「……まだ寝てんじゃね。」
「じゃー起こしてくる。」
「ナマエ、ちょっとそこ座れ。」






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