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08:お風呂どうしよう

ナマエがハートの海賊団の船に乗ることになって1日が過ぎた。
たった1日しか経っていないのに、クルー達とは昨日の宴ですっかり打ち解けたようだ。
ナマエがシャチの命の恩人であることもあるだろうが、裏表も遠慮もないナマエの性格はなんだかんだ相性がいいのだろう。


「いや、だからさ、シャチが見張ればいいと思う。」
「何でだよめんどくせーよ。」
「私この船で唯一の女なんだよ?何かあったらどーすんだよ。」
「大丈夫だそれはない、安心しろ。」
「何だとこのやろー。」


ペンギンが少し遅れて夕食を取りに食堂へ行くと、シャチとナマエが何やら口論していた。
別に本気で喧嘩しているわけではないようだが、ナマエはむくれている。


「何話してんだ?」
「あ、ペンギン聞いてよー。」
「ん?」
「私お風呂どうすればいい?」
「………ああ…」


なるほど、とペンギンは顎に手を置いた。
この船にはアニが来るまで男しか乗っていなかった。
部屋はなんとか小さな倉庫を片付けて作ったが、さすがに風呂は1つしかない。


「ここってお風呂1こしかないんでしょ?だから私が入る時はシャチに見張ってもらおうと思ったんだけどさ、シャチのやつが嫌がるから。」
「当然じゃね?」
「深夜なら誰も入らないんじゃないか?」
「それおれも言ったんだけどさ…」
「私12時前には寝たい。」
「ワガママなんだよ、こいつ。」
「健康志向って言ってよ。」
「………」


ペンギンは確かにワガママだと思ってしまった。
しかしナマエが何と言おうと、風呂は1つしかないのだ。どこかで妥協してもらわないと困る。


「せめてシャワールームとかないの?」
「「………」」


そこでナマエから出た妥協策がコレ。
ペンギンとシャチは顔を見合わせて少し考えた。多分、考えたことは同じだ。


「……え、あんの?」
「いや……あるっちゃあるけど……」
「ないっちゃない……」
「何それ?」


はっきりしない2人の声にナマエは眉をひそめた。
2人の反応を見る限り、一応シャワールームがあることにはあるのだろうが、使えない理由があるらしい。


「おい、どうした?」
「あ、トラむぐっ」
「船長!」


ペンギンとシャチがどう誤魔化そうと考えていると、背後にローが立っていた。
以前注意したにも関わらず不躾な呼び方をしようとしたナマエの口はシャチがおさえた。


「いや、こいつが風呂のことで駄々こねてて…」
「んーー!んーー!」
「風呂か……一応女だしな。」
「んんんーー!」


ナマエの口は塞いだままシャチが説明する。
ナマエは何か文句でも言いたそうだが、ここで喋らせたらとばっちりを受ける可能性が大きい。


「シャワーなら医務室にある。そこを使え。」
「「!」」
「ほ、ほんとに!?」
「ああ。」


ローのことだから「誰もお前に手を出そうなんて考えないから我慢しろ」くらい言うかと思えば、予想外の答えにペンギンとシャチは耳を疑った。
死の外科医、トラファルガー・ローが率いているだけに、この船の医療施設は充実している。
その医務室に、主に怪我人の血を洗うことに使用しているシャワールームがある。
怪我人が使うということで常に清潔に保たれているそこはさぞ快適なことだろう。


「本当は湯船に浸かりたいとこだけどまあ我慢する。なんだ、あるんだったらもっと早く言ってよね。」
「いや言えるわけねーだろ。」
「だってあそこ……キャプテン専用だぞ?」
「へ………」


そう…だからこそ、ローしか使用を許されない場所なのだ。


「えええええ!?」





■■
もうこれ恋愛要素入れるの無理だと思う。




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