OP | ナノ
×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -



06:歓迎会

「そんじゃァ、新しい仲間に……乾杯!!」
「「「乾杯!!」」」


なんか、私の歓迎会を開いてくれてるみたいです。


「ぎゃははは!こんなめでてェ日にゃ飲まなきゃやってられねェぜ!なァ新入り!」
「そーだそーだ!どーした新入り、お前も飲めよ!」
「………」


……これ、私の歓迎会という名のただの飲み会だよね。こいつら絶対ただ酒が飲みたかっただけだよね。
うー、酒くさい。酔っ払いはいやだ。何故ならめんどくさいから。


「よっナマエ!まだ不機嫌なのかよ?」
「……テンションについていけないだけ。」
「嘘つけ。お前そんなおしとやかなキャラじゃねーだろ。」
「失礼だなシャチ。」
「お前に言われたくない。」


本当はちょっと人見知りしていたから、シャチが来てくれて少し安心した。
…それを言ったらきっとシャチはまた「嘘つけ」って笑うんだろうけど!


「シャチ、いつの間にナマエと仲良くなったの?ずるい。」
「ははは、仲良しだってよ、おれら!」
「……うざい。」


私達の後ろからのっそり顔を出したのは……喋る白熊。一瞬心臓飛び出るかと思った。
そして背中をバンバン叩くシャチがうざい。こいつ酔っ払ってるな…!


「ねえ、何で白熊が喋ってんの?」
「喋ってすいません……」
「え!?あ、いや別に責めてるわけじゃ…」
「はははは、ベポもおれ達の仲間なんだぜ!」
「ふーん…」


喋る白熊が仲間にいるなんて……ここ本当は海賊じゃなくてサーカス団だったりとかしないかな。
それだったらいくらか気が楽なのに。
……いや、トラファルガーがサーカス団長とかないな。うん、ない。全国のサーカス団ごめんなさい。


「君ベポっていうんだ。よろしくね。」
「うん!よろしく!」


とりあえずベポは癒し担当に決まりだ。慣れてくれば可愛いもんだ。
キバむき出しで肉にかぶりつく姿も……まあ、可愛いもんだ…。


「それよりさっきからナマエ全然飲んでねェじゃんか!主役のお前が飲まなくてどーすんだよ!」
「だってこのお酒苦い。」
「ぷっ、子供だなーナマエは!」
「もうシャチめんどくさい。」


こいつ完璧酔っ払ってるよ。絶対自分の限界超えて自爆するタイプだよ。もうさっさと潰れちまえ!


「確かにこの酒は女の舌にはあまり馴染まないかもな。こっちはどうだ?」
「…?」


横からにゅっと伸びてきたグラスの中にはオレンジ色の液体……多分果実酒だ。
美味しそうは甘い匂いが鼻を掠める。うん、これなら飲めそう!
ありがたくそのグラスを受け取ると、ペンギン帽子の人が私の隣に腰を下ろした。
……私の部屋に乗り込んで荷物まとめた人だ。つまり共犯者だ。


「……ありがとう。」
「気にすんな。」


まあ……過去のことには目を瞑ってあげよう。私は大人だからね!
でもこう、頭ぽんぽんってされると子供扱いされてる感覚に陥るんだけどあれ、私子ども扱いされてる?


「おれはペンギンだ。よろしくな。」
「……よろしく。」


本当はよろしくしたくないんだけど!
そろそろ諦め始めてる自分がいるのも確かだ。
だってもう船に乗っちゃってんだよ?帰る術ないんだもん。


「ペンギンのやつポイント稼ぎしてやんの!」
「してねーよ!」
「……あ、おいしい。」


シャチとペンギンの口喧嘩を横目で流しつつ、グラスに口をつけてみるとすごくおいしかった。
甘くて全然お酒って感じしない。


「好きなだけ飲めよ。まだまだあるからな。」
「うん、ありがと。」
「おい聞けよナマエ!こいつ紳士気取ってるけどな、ベッドの下にはドエロ本が…」
「お、お前のマニアックなのよりはマシだ!」
「メスの熊のエロ本ねェかな…」
「「ねェよ!!」」
「すいません…。」


ああ、何でこう、男ってお酒が入ると下ネタに走るんだろう。
健全な男としてしょうがないことだとは理解しつつも、私は少しだけ彼らと距離をとった。




next≫≫
≪≪prev