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05

「いい加減観念しなよねマルコ!!」
「うううるせー!おいエース!こいつを何とかしろい!!」
「……あの、他所でやってくんねェか?」









敵船もなく今日も穏やかにグランドラインを突き進むモビー・ディック号。その船内ではすさまじい攻防が繰り広げられていた。


「だから!!大人しくベッドに入ってよ!!」
「嫌だっつってんだろ!!」
「何で!そこにベッドがあって入らないなんて人としてどうなの!?」
「意味わかんねェよい!!」
「いや、あれおれのベッドだからな。」


もはや毎度恒例だが、ナマエがマルコを追い掛け回していた。
始まりはついさっき。ナマエがマルコの部屋に突入し一言、「ベッドに横になって。気持ち良くしてあげるから」。
マルコはものすごい速さで逃げてきて、そして今何故かエースの部屋にいる。


「細かいことはいいからさっさとベッドインしようよ!!」
「よくなさすぎる!帰れ!ハウス!!」
「お前も帰れマルコ。」
「ふふっ私のホームはマルコの胸の中です。つまりそれは暗に抱きついてきていいよハニーってことね!!」
「うぉわっ!!」


ナマエがマルコに向かって猪さながらに突進するがひょい、と避けられて壁に大きな穴を開けた。
…大事な事なので2回言うが、ここはエースの部屋である。


「おいエースあいつを何とかしろ!!」
「無理だ。壁弁償だからな。」
「おれがあいつに襲われてもいいのかよい!?」
「いつも襲われてんじゃん。」
「今日は本当にヤバいんだよい!!」
「うがーっ!!」
「!」


壊れた木片の中からナマエが出て来た。女といってもさすがは白ひげ海賊団の戦闘員、無傷だ。


「何で何で!?ただベッドに横になるだけなんだよ!?」
「嘘つけ!横になるだけじゃねェだろーが!!」
「マルコは何もしなくていいの!私が気持ちよくしてあげるから!!」
「ばッ…!されてたまるか!!」
「何でよっ!私、マルコに気持ちよくなってもらいたくて、ナースさん達にコツとかいろいろ教えてもらったんだよ!?」
「はあ!?」
「自分で言うのも何だけど私うまいんだから!!」
「な、あのなァ…!!」
「練習もいっぱいしたんだよ!ねっエース!」
「ん?ああ。」
「……は!?」


ナマエの言葉にマルコが大きく目を見開いた。


「エースと…?」
「だって男の人の気持ちいいところは男の人にしかわかんないでしょ?」
「だからってお前……!お、おいエース、本当なのかよい?」
「………ああ、本当だぜ。」
「ねえエース、気持ちよかったでしょ!?」
「ああ、最高だった。」
「ほらー!」
「!!」


ニヤリと笑って答えるエース。エースが言うんだから本当なのだろう。急に黙りこくったマルコを、ナマエが不思議そうに見つめる。


「え、もしかしてこれOKのサイン?」
「違ェ!!おれァ死んでもやらせねェからな!!」
「えええ何でよー!?気持ちいいのに!!」
「っ、おれじゃなくてエースとやってりゃいいだろい!!」
「だからっ、私はマルコのために練習を…」
「とにかくダメだ!!」


すごい剣幕で怒鳴りつけるマルコに、さすがのナマエもたじろいだ。


「うっ……マルコのバカ!分からず屋!ナースのエリザさんにはやってもらってるくせにっ!!」
「は?」
「そこまで言うならいいもん、お父さんにやってくる!そんで褒めてもらうもん!頭とか撫でてもらうもん!」
「オ、オヤジ!?ちょっと待てリア…」
「べー!!もうマルコには、頼まれたってマッサージなんてしてあげないからねっ!!」


最後にそう吐き捨てて、ナマエは扉を壊してエースの部屋から出て行った。
取り残されるエースとマルコに、妙な沈黙が漂う。


「…マルコ、あんたもまだまだナマエのことわかってねェな。」
「……マッサージ…?」
「あいつはキスという行為を20禁だと思ってる程だぜ?」
「………マッサージ…」


マルコの肩にぽん、と手を置くエース。
マルコは自分が勘違いをしていたことを悟り、顔を青くしながらわなわなと震えている。


「……あんたが頼めばきっとやってくれるぜ、ナマエは。」
「…………あのバカッ…!」


やがてその震えは怒りへと変わり、マルコはナマエのあとを追いかけた。


「扉も弁償しろよー!」


今日もモビー・ディック号は平和である。




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