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結局いつも通り

「………ああぁ〜…」


自室に戻ったおれはベッドに倒れこんで、顔を枕に押し付けた。
目を瞑ると浮かび上がってくるのはナマエの真っ赤な顔と、右手の感触。
あああ……なんかもう、なんつーか…ダメだ、おれは。何してんだ、おれは。


「………」


事の発端はついさっき。
率直に言えば、何だ……その……ナマエの胸を揉んじまった。
いやっ故意じゃねェ!断じて!事故だ事故!
今日の宴の酒樽を運んでる時丁度山積みの洗濯物を抱えたナマエが通りかかって、すれ違いざまにナマエがつまづいて、転んで、それを助けようとして右手をヒヨナマエの体にまわしたら丁度そこに胸があって………とまあ、こんなところだ。
おれもあん時は片手に酒樽を持ってたし、散らばる洗濯物で視界が悪かったし…。
なんか柔らかいとは思ったけど、それに気付いたのは少しの沈黙の後だった。
結構…がっつり揉んじまったよなァ…。そりゃァナマエの体を支えようとしたんだから、それなりの力は入れたはずだ。


「……はあぁ〜〜…」


絶対…軽蔑…っつーか…、引かれたよなァ…。
あん時のナマエの顔、すんげー赤かった。……可愛かった……って何不謹慎なこと考えてんだおれ!アホか!反省しろ!









ドンガチャッ


「エース隊長エース隊長!」
「!?」


ベッドに倒れこんで悶々と考えていたらいつの間にか寝てしまっていたようで、どこくらい経ったのかはわからねェがとりあえずナマエに起こされた。
ノックとドアを開けるまでに1秒の間もなかった。返事させる気ねェじゃねーか…。
…つーかそもそも、さっきの事件があった手前気まずいんだけど……ナマエの目はすっげーキラキラしてる。何でだ?


「早く来てくださいっ!もう宴は始まってるんですよ!エース隊長がいなきゃダメなんです!!」
「へ、は…?」


明らかにテンションが高いナマエの発言におれの心臓は一気に跳ね上がる。
だっておま、おれがいなきゃダメって…!いったいどういう……


「打ち上げ花火をするんです!!」


………ああ、そういうことか…。着火係として必要ってわけね。


「みんな待ってますよ!」
「……ったく、しゃーねェな!」






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