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空のランデブー

「ふぁーあ…」
「いいお天気ですねぇ…」
「んー…」


ある日の昼下がり。洗濯物が乾くのを待つこの時間は、いつの間にかエースと過ごすのが日課になっていた。
温度は高すぎず低すぎず、風も波も穏やかだ。
エースとナマエは2人並んで壁にもたれかかって空を仰いでいる。


「こんな日はアレだな……」
「アレ…?」
「寝るに限るな…」


そう言ったエースの瞼は既に重たそうで、もう今すぐにでも寝てしまいそうだ。


「…はい。」


ナマエが返事をした時、完全にエースの瞼は閉じられていた。
それを横目で見て小さく笑ったあと、ナマエはまた空に視線を戻した。


ビュー


「!」


その時、強い風が吹き横にまとめていたナマエの髪の毛がなびいて顔にかかった。


「あっ!ジョズ隊長のパンツが…!」
「んん…?」


そして視界の端にひらひらと舞う純白の布……毎度恒例、ジョズのパンツが飛ばされた。
ナマエは反射的にそれを追いかけた。


「おりゃーー!」


そしてジャンプしてキャッチ。


「な…ッナマエ!?」
「大丈夫ですエース隊長、パンツは無事で…ふっ!?」


……したはいいが、ナマエの下りつく場所に床はない。
宙で足を数回バタバタさせてから、ナマエは重力に逆らうことなく真っ逆さまに落ちていった。
もちろん、下は海。


「いやぁあああ!!」
「ナマエ!!」


しかもなんとタイミングの悪いことに、海王類が海面から顔を出したではないか。
落ちてくるナマエを見つけて、大きな口を開けて待ち構えている。


「は、わ、わ…」


このまま落ちれば間違いなく食べられる。
ナマエはもう気絶寸前だった。


パク。


「………ひぃやぁぁあああ!!?」


しかし、海王類の口は空振り。
ナマエは間一髪で海王類のエサになるという危機から脱した。が、危険なことには変わりない。
今ナマエがいるのは海とは正反対の遥か上空。大きな鳥の足に捕まっていた。


「おい、マルコは!?」
「今主張中です!」
「ちっ…おれのストライカーを出せ!」
「追うんですか!?」
「当たり前だ!」







一方こちらはグランドライン前半の海。広大な水面に一隻の海賊船が浮かんでいる。旗と帆には麦わら帽子を被った髑髏のマーク。船首は羊を模しているのか、可愛らしい。


「ハラ減ったぁぁ…」
「サンジーめしー!」


その甲板の縁でうなだれる少年2人。
麦わら帽子をかぶった少年と、鼻の長い少年。2人とも釣竿を海に垂らしているが、糸が動く気配は全く無い。


「…めしっつったって…材料がねェだろーが。」
「だから3時間前から釣りしてんじゃねーか。」


金髪の男がタバコに火をつけながら静かな水面を覗いた。


「そもそもアンタが悪いのよルフィ!保存してた食料も食べちゃって…」
「釣り飽きたなー。」
「聞け!!」


オレンジ色の髪の美人に殴られる麦わらの少年……もとい船長、ルフィ。
持っていた釣竿ごと甲板の上に倒れこんだ。
起き上がる気力もなくてそのままでいると、上空に飛び回る大きな鳥が視界に入った。


「…お!でっけー鳥!あれ食おう。」
「んじゃさっさと捕まえろ。」
「おう!」


言うや否や、ルフィの腕が伸びて空にいた鳥を引きずり落とす。


「ヒャッホー!焼き鳥だー!」
「早く早く!サンジ早く!」
「うるせーなァ。」
「ちょ、ちょっと待って!鳥の足に何か…」


甲板に落ちてきた大きな鳥を、クルー達が取り囲んだ。
これだけ大きければ3日分くらいの食事はなんとかなりそうだ。……普通なら。
ふと、オレンジ髪の美人が鳥の足に何かを見つけた。


「な…!?」
「……人ね。」
「「「なにーーー!?」」」


…人だった。








■■
気持ち的にはアラバスタ編が終わった後ぐらいで。




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