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イゾウ隊長


「イゾウ隊長の船だ!」
「おおお!イゾウ隊長が帰ってきたぞォーー!!」



16番隊の奴らがわらわらと甲板に集まってきたと思ったら、イゾウが帰ってきたらしい。
そーいや1ヶ月くらい前からドーマのところにいってるっつってたな。
会うの久しぶりだし、イゾウは絶対お土産買ってきてくれるし…おれも出迎えようかな。



「エース隊長!イゾウ隊長が帰って来ましたよ!」
「ん?ああ。」



16番隊や土産目当ての奴ら(おれ含む)に混じってナマエも甲板に顔を出してきた。
ナマエ、イゾウのこと知ってたんだ。










イゾウが船を横につけてモビー・ディック号に帰って来た。甲板に上がった途端に仲間達の熱い歓迎を受ける。
ふとこっちに気付いたイゾウ。少し目を丸くしたかと思うと、次の瞬間には満面の笑みに変えてこっちに近づいてきた。
え、何だこれ…!?ものすごく気持ち悪ィんだけど…!!



「ただいま、ナマエ!」
「お帰りなさいイゾウ隊長!」
「………は?」



ナマエをぎゅっと抱きしめるイゾウ。
…何この状況。ものすごく置いてけぼりなんだけどおれ…。



「元気にしてたか?」
「はい!あの、またお話聞かせてください!」
「ああ、もちろんだ。」



イゾウはまるでわが子を愛でる親のように、よしよしとナマエの頭を撫でている。
ナマエとイゾウってこんな仲よかったのか…。



「ん?なんだエースいたのか。」
「…おう。」



ずっとナマエの隣にいたんだけどな…。ナマエしか眼中になかったのか……やばくねェかこいつ?



「土産なら向こうだ。」
「あ、ああ…サンキュー。」



そーいやおれ土産目当てで来たんだった。思わず目的を忘れるほどの衝撃だったぜ…。



「ナマエの土産はこれだ。」
「わわわっありがとうございます!」
「……」



あのさ…イゾウ…この差はなんなんだろうか。










「イゾウとナマエ?ああ、前からあんなんだぜ。」
「……」



サッチに聞いてみたら…そうらしい。全然知らなかった…。



「あいつァナマエを溺愛してるからなァ…」
「ああ…見てわかった…」
「……はッ!!」
「? どうしたんだよサッチ。」
「エースやべェぞ…!お前しばらく身を隠せ!つーかおれの傍にいるな!」
「は?何でだよ?」



急に顔を青くして焦り出すサッチ。意味がわからねェ。
何でイゾウの話してておれが身を隠すことに繋がるんだよ?



ズガンッ



「「…!!」」
「見つけたぞエース…」
「イゾウ…?」



意味わかんねェサッチに続いて、イゾウもよくわかんねェけどすごい形相でこっちに来た。
何であんな怒ってんだ?つーか、今こっちに向かって撃ってきたよな?



「なあ、どうしたんだよイゾウ…何かあったのか?」
「何かあったかだってェ…?自分の胸に聞いてみやがれ!」



ガンッガンッ



「ひいいいっ!」
「な、何すんだよ!?」



続いて2発ブチ込んできやがった。
おれはロギアだから効かねェけど、サッチはリーゼントに少しかすっていた。
仲間にいきなり発砲するなんていつものイゾウじゃありえねェ。何をそんなに怒ってんだ?
サッチは知らねェがおれはイゾウを怒らすようなことはしてないはずだ。



「よくもおれのナマエを傷物に…!」
「はあ!?」



イゾウが怒ってる理由っぽいのを口にしたけど……なおさら意味がわからねェ。
何でそこでナマエが出てくんだよ?キズモノってどーいうことだ?



「しらばっくれる気か?」
「あああだから言ったのに…!」
「意味わかんねェ!おれがナマエに何をしたっつーんだよ!?」
「マークを入れさせたらしいじゃねーか!!」



…刺青のことを言ってんのか?



「そりゃあ…ナマエ本人が…」
「うるせェ!!」
「ひいいっ!!おれは止めたんだぜ!?」



なるほど、つまり遠征に言ってる間に溺愛してるナマエがマークを入れてたことに怒ってんのか。
……だったらおれに怒りを向けるのはお門違いじゃねーか。
あれはナマエ本人の意思で入れたんだ。……っつっても、今のイゾウは聞く耳を持たねェ。イゾウは怒ると超怖ェからな…。



「あの……何かあったんですか?」
「ナマエ!!」



イゾウの発砲を聞きつけたのか、ナマエがおずおずと顔を出してきた。
ナイスだナマエ!ナマエの口から言えばイゾウだってわかるはずだ!



「聞いたぞナマエ!マークのこと…!」
「あ、はい!ついに私も一人前です!」
「は……」
「イゾウ隊長ともおそろいですね!」
「……っ、ああ…!!」



にっこりとナマエが笑うとイゾウもデレっとした笑みを浮かべて、あっという間に事件は解決。
………おれたちに謝れ。







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