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15

「外にディルが来ているのですか!?」
「はい。」
「嬉しい…!」


外にディルがいることを伝えると、ミリアは嬉しそうに厚くなる頬を押さえた。
その女性らしいしぐさをナマエは素直に可愛いと思った。


「あらお嬢様、お出かけですか?」
「はい、お友達が来ているの。」


ミリアの隣を歩いていれば、使用人とすれ違っても特別怪しまれるようなことはなかった。
ミリアから借りた高級そうなワンピースに身を包めば、ナマエもどこぞの育ちの良いお嬢様に見えなくはない。
使用人達もナマエをミリアの友達だと信じてくれた。


「…!」


出口まであと少し、というところでミリアが足をとめた。
強張った表情で見つめる先には、身だしなみが小綺麗なふくよかな男性がこちらに向かって歩いてくるのが見える。


「…何をしている、ミリア。」
「お父様…」


対峙したのはミリアの父だった。
今回、サボが調査している武器の密輸に関わっているとされる人物だ。
ミリアの隣に見慣れないナマエの姿を見つけると、彼は目を細めた。


「友人と…、図書館で一緒にお勉強をしてきます。」
「……そうか。」


ミリアの言い分に父親は頷いただけだった。
ミリアは父親の顔色を窺いつつ、その横を通り抜けた。









一方、正門付近でナマエを待つサボとディル。


「遅い。」


ナマエが屋敷に向かっていってから30分程が経過した。
未だにナマエとミリアが屋敷から出てくる気配はない。


「…乗り込むか。」
「おれも同じこと考えてた。」


痺れを切らした2人は作戦関係なしに乗り込むことを検討し始めた。
流石に30分も経てばナマエの変身は解けているだろう。
それによってまた別の騒ぎが起こり、ナマエが危険に晒されているのではないかがサボは心配だった。


「…ナマエとは長い付き合いなのか?」
「いや、前の島で会った。」
「ふーん…今後は?」
「…この島で別れるつもりだ。」
「…そうか。ま、それがいいだろうよ。」
「……」


パァン!


「「!!」」


突如屋敷から銃声が聞こえて会話が途切れる。
サボとディルはどちらが言うまでもなく、正門から屋敷に向かって走り出した。







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