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07

「!」
「あ、起きた?」


ナマエが目を覚ますと自室のベッドで横になっていた。
傍にいるのは知らない女性。ニコニコと愛想の良い笑みを浮かべていて害があるようには感じられないが、自分の家に見知らぬ人がいるのには違和感を感じた。


「サボくんから情報は聞いたわ。私達はあなたに危害を加えたりしないから安心して。」
「サボさん…あ!助けて…くれたんですよね?サボさんは今どこに…お礼を…!」
「落ち着いて。まずは服を着なくちゃね。」
「…はっ!」


コアラに指摘されて自分が裸であることに気づいたナマエは顔を真っ赤にし、小さく返事をした。
いくら女性同士とはいえ、初対面の人相手に裸を晒すのはかなり恥ずかしかった。









「助けてくれてありがとうございました。」


ナマエが着替え終わったところで、コアラが外で待機していたサボを部屋に呼んだ。
サボが部屋に入ってくるなりナマエは深々と頭を下げた。


「気にすんなって。むしろ悪かった。もっと注意を払うべきだった。」
「そんなことありません!」


サボが謝ると、今度はブンブンと強く頭を横に振る。
ナマエにとってサボは命の恩人。謝られる理由などどこにもないのだ。


「サボさんがいなかったら私、あのまま売り飛ばされていました…。でも、どうしてあの場所がわかったんですか?」
「…おれ達は革命軍だ。この島には人身売買の噂を聞いて調査に入ってた。」
「革命軍…!」


革命軍……よく新聞に取り上げられる組織のひとつだ。
海賊でも海軍でもない、第三の大きな勢力。
その目的は世界政府の討伐であり、政府からも危険視されている。
世間一般にとって果たして善なのか悪なのかよくわからない組織だと思っていた。
しかしサボに助けられた今のナマエにとっては誰がなんと言おうと間違いなく善であった。


「それで…言いにくいんだけどさ…、エト族の情報はすでにバイヤーにまわっちまったみたいなんだ。」
「…!」


助けてもらったものの、ライシン島にエト族がいるという情報は人攫いチームからバイヤーへ、既に漏れていた。
おそらくバイヤーは珍しいエト族を捕まえるため、あらゆる刺客を送ってくるだろう。
言いにくそうにしているサボが何を伝えたいのかはすぐにわかった。


「…もうこの島にはいられませんね。」
「……」


ナマエは困ったように笑ってみせたが、その胸中は想像できる。


「これからどうする?」
「この島を出ます。私がここにいては、関係ない人まで巻き込んでしまいます。」
「……」


あまり深く人とは関わってこなかったが、それでも自分のせいで人が傷つくのは見たくなかった。


「…おれ達はこれからタイニ島へ向かう。一緒に来るか?」
「! でも…」
「ついでに乗せてくだけさ。気にしなくていい。」
「…お願いします…!」


ナマエはサボの優しい申し出に泣きそうになるのを堪えて、大きく首を縦に振った。








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