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一緒にごはん


「よっナマエ。隣いいか?」
「エース隊長!」



一人食堂で朝ごはんを食べていたら、お皿の上にてんこ盛りのご飯を持ったエース隊長がやってきた。
うわわ、ものすごい量だ…!エース隊長はイメージ通り大食なんだな。



「…いつも一人で食ってんのか?」
「いえ!さっきまでナースのミランちゃんと食べてたんですけど、ミランちゃんはお仕事にいきました!」
「ふーん。」



なんか心配させてしまった!大丈夫です、ちゃんとお友達いますよ!
ナースさん達にはいろいろとお世話になってるし、中でも新人ナースのミランちゃんとは新入り同士仲良しなんです!
私は自分で言うのもなんですけど、ご飯を食べるのがものすごく遅くて…。
食べ終わったミランちゃんはお仕事に行きました!



「お前、野菜ばっかじゃねェか。ちゃんと肉食ってんのか?」
「サラダ好きなんです!特にレタスが好きです!お肉なら…ほら、ここにありますよ。」
「バカ、そりゃ魚だろ。これ食っとけ。」
「あ…ありがとうございます…。」



あれ、魚って立派なお肉だと思ってたのに違うのかな?バカって言われてしまった…。
エース隊長は自分のお皿の上からお肉を一個、ひょーいと私のお皿に乗せてくれたんだけど………
あの、これでかいです。一個と言っても、あの勇ましい骨付き肉丸々一個ですからね。
私これ全部食べられる自信ないですよ…!かと言って「いらない」って言うのも失礼な気がするし…



「じゃあ、エース隊長にはサラダあげますね!」
「…そりゃどーも。」



とりあえず私の残りのサラダをエース隊長のあげることにした。けどあんまり嬉しそうじゃない…。
野菜好きじゃないのかな…。そういえばエース隊長のお皿の上、緑色が見当たらない。
……いや、野菜は食べなきゃダメです!ということで、知らんぷりをした。



「エース隊長はいつからこの船にいるんですか?」
「んー……1年くらい前からかな。」
「えっ!?たった1年で隊長にまでなっちゃったんですか!?」
「…まァな。」
「す、すごい…!」



てっきり古株だと思ってたのに、まだ1年しか経ってなかったんだ…。
それなのに隊長で、みんなからの信頼も篤くて……エース隊長ってすごい人だ…!



「そーいやナマエ、お前戦えんのか?」
「えーっと……実力は、下の下と言いますか…」
「プハハ!つまり一般人以下じゃねェか。」
「その通りです…。」



ストレートに言われると今更ながら落ち込んでしまう。
エース隊長は面白そうに笑って私の頭を慰めるように叩いた。……逆に惨めになります…。
むむむ、エース隊長は強いからって…!



「ま、ナマエはナマエにできる事をやればいいんだ。」
「! は、はい!」



そう言ってニカッと笑ったエース隊長はやっぱりいい人です。



「そういえば…」



ガシャンッ



「え………」



エース隊長の顔が、お皿に埋まりました。
あれ、話の途中だったのに……何か言いかけてたのに……いきなり……



「ええええエース隊長ぉおおお!?だっ誰か!ナースさんはいませんか!!ナースさああああん!!」
「落ちつけナマエ。」
「ママママルコたいちょっ、エース隊長が!エース隊長が…!」
「ほっとけ。いつもの事だよい。」
「へ…?」



取り乱す私に対して、マルコ隊長はいつものように落ち着いてエース隊長の隣に腰を下ろした。
だって、エース隊長が急に倒れたっていうのに………え、いつもの事…?



「寝てるだけだから大丈夫だ。死んじゃいねェよい。」
「寝…!?食事中にですか!?」
「ああ。おれ達も最初は驚いたよい。」



思わず口が開いてしまった。
とりあえず別に命に関わるような事じゃなくてよかった…。
けど、いくら眠いからって食事中でしかも会話中に寝ちゃうだなんて…



「疲れてるんでしょうか…」
「動物並に欲求に忠実なだけだろい。ほらプチトマト。」
「わ、ありがとうございます!」



マルコ隊長がプチトマトと2つ、私のお皿に乗せてくれた。
えへへ、何を隠そう私はプチトマトが大好きでして……プチトマトがある日はいつも私にくれる。いい人すぎる!
私も何かお返しをしようと思ったけど、サラダはエース隊長にあげちゃったし、私のトレーの上に残ってるのはエース隊長からもらった大きなお肉一個だけ。



「マルコ隊長、これ半分食べてくれませんか?」
「ん?ナマエがそんなでけェ肉取るなんて珍しいな。」
「エース隊長に貰ったんですけど、ちょっと大きすぎて…。」
「…なるほどねい。」



素直に話すと、マルコ隊長は苦笑しながら貰ってくれた。…いい人すぎる!



「そーいやナマエ、今日は午後から雨が降るって航海士が言ってたよい。」
「まじですか。じゃあ部屋干しですねえ…。」
「ぶフォッ!!」
「!?」



お肉をもぐもぐ噛んでいたら目の前のエース隊長が急に起き上がった。
吃驚してお肉が喉につまるかと思ったけど、なんとか飲み込んだ。



「あーー……寝てた。」
「…あはは。」



やっぱり本当に寝てたんだ…。
エース隊長が突っ込んだお皿にはピラフが乗ってたから、エース隊長の顔はご飯粒だらけだ。
……なんだか少し、可愛いと思っちゃう。



「ん?マルコがいる。」
「いちゃ悪ィかよい。ほら、顔拭け。」
「ああ、サンキュー。」



マルコ隊長からふきんを受け取って、それで顔を拭くエース隊長。
さすがマルコ隊長…!対処が慣れています!



「食事中に寝ちゃう人、初めて見ました。」
「そうか?癖なんだ。気にしないでくれ。」
「エース、ナマエの奴な、お前が死んだと思って大声で…」
「ぎゃーーーマルコ隊長ダメですよ言っちゃあ!!」
「?」



なんか恥ずかしいじゃないですか!一人で勝手に勘違いして大騒ぎしたなんて!
マルコ隊長はいい人だけどたまにいじわるだ…!



「それにしても食べるの遅ェなーナマエ。」
「こいつは一食に1時間程費やすよい。」
「プハハ!そんな遅ェ奴初めて見た!」
「か、かみしめてるんです…」



この後もエース隊長は2回程お皿に顔を突っ込みまして、結局私とエース隊長は同時に食べ終わりました。







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